「闇の底」 薬丸岳
幼女殺害事件のたびに、性犯罪の前歴者が首なし死体となって発見される連続殺人事件が起きる。「死刑執行人、サンソン」を名乗る犯人の正体と真の狙いは何か!? すげぇー!!前作に続き、許されざる犯罪ものです。ロリコン殺人犯への復讐。前作と同じで、犯罪被害者の気持ちを「関係者かっ!」と思わせる位の切実さで表現しながらも、ミステリー(犯人探し)としても面白かった。なにせ犯人が、犯人だと自白するラスト何ページかまで、はっきりわからん!(怪しいのが2人いて、絞りきれない。こっちか?こっち?と)ただ1つ残念なのは、犯人の真意というか、動機というかが、どこにあったのかと。犯人がどう思って反抗におよんでいたか等は、いっぱい書かれてあるけれど、いまいちわからん。あと奥さんの秘密とか、色々な人の行動で気になっていたことがあったんだけど、特に触れられず。別にいいんだけどねっ!とにかくパワーを持った本です。「こりゃ、すごい」です。完全犯罪成立したし。サンソンがいてもいなくても、この手の犯罪は、残念ながらなくなることはないでしょう。理性じゃなくて、本能だもんね。(私は、性犯罪者はあそこをちょん切れと…。他人の基本的人権を侵した人間を守る基本的人権など必要ない!)そして相変わらず、立派で頭の良い弁護士達が、罪を軽くしてくれて、すぐのうのうと社会に戻ってくるでしょう。でもね、少なくとも、この本の中の社会では、もうのうのうとは暮らせないね。いつか、もしかしたら、自分のところにサンソンが来るかもしれないんだから…。何か想像すると、にっこりしてしまう私です。この本、性犯罪者にプレゼントしたいねー!