カテゴリ:銀座
(左から、鴨のコンフィ、田舎風のパテ、子羊のロースト) お店◆フランス料理 厨房 Zeniya◆ お話◆銭谷勉さん◆ 平成21(2009)年4月。 今回のブログは、銀座3丁目「Zeniya」の銭谷さんにお話を伺いました。この店を紹介してくださったのは、紺屋廣瀬の奥様です。 ――「ビストロ」とおっしゃっている通り、1500円のランチもあるんですね。 「ビストロ」は、いわゆる「レストラン」より庶民的なランクですから、もっと気楽に来てほしいですね。当店の一番の人気のメニューはコース料理です。 Aコース:4500円 前菜、魚または肉料理、本日のデザート1種、コーヒー Bコース:5500円 前菜、スープ、魚または肉料理、本日のデザート2種、コーヒー Cコース:7000円 前菜、魚料理、肉料理、デザート、コーヒー ワインは、テーブルワイン(グラス1杯840円)からお高いのまで、各種ありますよ。 ――フランス料理はやはり修業されたんですか? 見習い先が帝国ホテルの村上料理長の兄弟子のところだったので、大使館での職やフランスの修行に村上さんの紹介で行けました。 18でこの世界に入って、23才のときにフランス大使館に行き、25才で南仏に修行に行きました。 昔は見習いにも給料をくれたんですよ。給料をくれるから、会話もちゃんとできなくちゃならないし、フランス人の要求に応えなくちゃならない。いまはみんな無給でやっているらしいけど、それだと口をきかなくてもよくなってしまうから、ちょっとね。 28才で日本に戻ってきて、伊豆高原のふつうのフランスレストランで4年間働きました。観光地のレストランだったので、安くはなかったですね。 そこで32歳まで働いて、それから東京に出てきて、34歳で恵比寿に自分の店をオープンさせました。駒沢通り、代官山の近くの「Le Plaisir」という店でした。 これは19年間続けました。調理場に3人、表に2人の店で順調でした。 でも再開発で若者の町になりましたね。以前は恵比寿もサッポロビールがあっただけでした。それが若者向けの店が多くなって、住む人も変わり、むかしほど面白い街ではなくなった。もちろん奥に入れば、面白いところもあるんでしょうけど。 そんなこんなで、7年前の2002年5月25日に、この店をオープンしました。 ――モットーはあるんですか? 「気楽にフランス料理を」、ですかね。 フランス料理というと高いというイメージがありますよね。 でもピンからキリまである。 「ビストロ」というイメージは、本来レストランの下のランクだから、もっと気楽に来て、フランス料理ってこんなに気楽に食べられるんだ、と思っていただければいいですね。 「気楽に」を実現しようとすると、家賃や内装が高くては難しくなります。その分、料理の値段に反映されてしまいますから。しかも個人の資金では、派手なところにはたてられない。昭和通りの向こう側(銀座の西側)は家賃が高くて、料理が高くなってしまう。それでこっちの東銀座の方にやってきました。 ―― 一番楽しかったことは何ですか? 一番楽しかったこと? う~ん、作り続けているイメージしかないな~。 仕事をやって、お客さんと話して、おいしかったと言われるとうれしいですね。 ソースを重視しているので、出したあとに、「おいしい」と言われるとやっぱりうれしいですよ。 それからもちろん、「こう作れ」という上からの指示に反発してきましたから、自分の店を持てたことはとてもいいですね。自分の作りたい料理を作れるのは大きい。 ―― 一番残念だったことは? 作ってお客さんが来ないときだね。天気や景気が悪いときにね、いまでもけっこうある。 ――おすすめは何ですか? おすすめは、さっきのコースにそのときの「チョイス」をプリフィックスするタイプですね。その中でも目玉は、前菜では「鴨のコンフィ」、「田舎風のパテ」、魚は季節によって変わるから、肉は「子羊のロースト」。 あとは季節物ですね。いまならホワイトアスパラガスと、日本にわずかしかない天然の編み笠茸(あみがさだけ、モリーユ)。今シーズンはほら、あと7、8本しかない。日本ではうちにしかないですよ。フランスでも乾燥物しかない。 この前来ていたフランス人が「フランスでも食ったことがない」って。 今年は桜の開花宣言のあと寒かったので、かなり低温にやられてしまった。取れた数自体、かなり少ないんです。 ――これからもモットー通り、やっていかれるんですか? そうですね。ご覧の通り、10人ちょっとしか入れない店ですが、気軽に楽しめるフランス料理を出していきたいですね。 ――銀座ってどんな街ですか? やっぱり銀座のイメージはほかとは違う。代官山より青山より特別な響きがありますね。 むかしは代官山も面白かったけど。 ◆フランス料理 厨房 Zeniya 東京都中央区銀座3-13-4 シンコウビル1F 電話:03-5565-0650 ◆銭谷さん◆「Zeniya」のご主人 ◆銀座歴◆7年 ■後書 数軒先の紺屋廣瀬の奥様が、息子さんの誕生日に「お母さんお疲れ様会」をZeniyaさんで開くんだと、とても張り切っておられました。Zniyaは地元の人に愛される「ビストロ」。「気楽に料理を」は、モットーではなく、もはやZeniyaの形でしょう。 <このブログは、10万円代の自費出版本、3万円代での絶版本の復刊、在庫本のリンク、一般商品の「販売」を行うインターネット上のハイブリッド書店スピークマンがおおくりしています> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月30日 18時27分07秒
コメント(0) | コメントを書く
[銀座] カテゴリの最新記事
|
|