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アルゴリズムの時代(スポンタ通信 2.0)

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2007年02月02日
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私が、「冬のソナタ」のアナリーゼを始めたことを奇異に思っている人がいるかもしれぬ。
だが、その理由は、簡単である。

新しいメディアが誕生するとき、技術者は、その技術的革命性を喧伝するが、それによって、そのメディアが一般に普及するのではないこと。


このエントリーのタイトルを見れば分かるだろう。

テレビ放送は画期的な技術だが、それが何故、爆発的に普及したかといえば、「力道山」というキラーコンテンツが、大衆の民族心を刺激したからである。

どうように、何故、ビデオカセットレコーダーが普及したかといえば、否、VHSビデオのビデオレコーダーが勝利したかといえば、「洗濯屋けんちゃん」というキラーコンテンツが暗躍し、男たちのリビドーを刺激したからだ。

では、インターネットでは何がそうにあたるか…。「冬のソナタ」、ならびに、BYJ(ペ・ヨンジュン氏)である。



新製品好きの人たちに商品が売れるだけでは、その商品が普及したことにはならぬ。メディアが一般化するには、もうひとつの起爆剤が必要なのだ。

インターネットの普及における一番のネックは、ビジネスシーン、または、教育機関などでパソコンに接したことのない世代にいかにパソコンを操ることに興味を持たせられるかだった。

つまり、2000年頃は、オフィスでパソコンを使った人はパソコンに親しんでいるが、それ以外の人たちは携帯電話しか使っていなかった。

だが、2003年にNHKのBS放送で「冬のソナタ」がオンエアされると、新しいムーブメントが起きる。

この作品でBYJの魅力に惹かれた淑女たちが、彼の情報を得たいとネットに殺到したのだ。彼女たちは、インターネットに、BYJの画像や動画や情報があることを知る。

そこで、パソコンの使いたいと思うようになる。そして、その情熱によって、多くの淑女たちがパソコンを使いこなすようになった。

韓流ドラマの流行によって、韓国語をマスターしようとする人も多いようだが、それに比べたら、パソコンのマスターなど簡単なものだ。



私は、すこしいい気になって、冬ソナ・アナリーゼを書いているかもしれない。
有体にいえば、村松友視の「私、プロレスの味方です」と、同じ感覚でいるのかもしれぬ。

スポーツ界にあって、まったく評価されぬプロレスと、映画界にあって、まったく評価されぬメロドラマ。
その共通項は以外に大きいのかもしれぬ。

ただ、プロレスとメロドラマには決定的な差異がある。
それは、プロレスは終わってしまった出来事だが、メロドラマは、ストレージとして残っている知的財産である。

以前、渥美清の「泣いてたまるか」のDVDを買ったことがある。あのリバイバル企画は、国民的スターである寅さんこと渥美清氏をして、始めて成立したものだろう。

だが、いま韓流映画の流行と、日本のドラマ界の堕落を見るに、日本のドラマが輝いていたときをもう一度思い出すことも大切なのではないかと思っている。



それにしても、昨夜の「拝啓、父上様」は、ひどかった。

おばあちゃんたちの原宿たる巣鴨をテーマに、説明ゼリフの大量生産。とげぬき地蔵をほねぬき地蔵というダジャレ。よりによって黒澤明の「生きる」を引用する凡庸さ。
そして、何よりも、今回の主人公を「お兄ちゃん」と呼ぶ女性との喫茶店のシーン。

モノローグを言う主人公と「お兄ちゃん」と呼ぶ女性が喫茶店で話をするといえば、倉本聰のファンならば、100%、萩原健一演じるさぶちゃんと、桃井かおり演じるうみちゃんを思い出したに違いない

だが、うみちゃんのように二宮君がブスの深情けよろしく愛されているのでもない。
リンゴの君にしても、坂口良子が演じたかすみちゃんのように、室田日出男演じるハンツマさんや、川谷拓三演じるトシオさんという枷もない…。

基本的には、批判するだけのための批判はしたくないが、「冬のソナタ」や韓流ドラマを語るにおいては、言及せざるをえない。

日本の巨匠・倉本聰氏がこのような作品をつくれば、無垢な若者たちは、ドラマとは、シナリオとは、こんなものでいいと思ってしまう。恐ろしいことだ。

同様に、日本の巨匠・山田洋二氏は、木村拓哉氏の演技を褒めている。困ったものである。



だが、日本も、フジテレビも捨てたものではない、先ごろ、トリビアの泉の復活スペシャルでオンエアされた「警護人・内田晋三」はよかった。

シナリオも演出も申し分ない。高橋克美は、一九分けがなくなって魅力が半減したが、ようやく復活してきたようだ。

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Last updated  2007年02月02日 05時24分45秒
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