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片野 道郎

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2006.10.01
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「インテル盗聴問題とグイド・ロッシのテレコム・イタリア会長就任についてのコメントを」というコメントをいただきましたので、少し書きます。

話の発端は、イタリア最大の電話会社で元国営企業であるテレコム・イタリア(日本でのNTTみたいなもんです)がその内部で、政治家、企業、銀行、マスコミなど、政治・経済・社会に何らかの形で権力や影響力を持っている組織や個人を対象に、法律では許されていない電話通信の傍受=盗聴によるスパイ行為を組織的に行ってきたという、大規模な盗聴スキャンダルが表面化したことでした。
政財界を巻き込んだこの一大スキャンダルのはじっこの方には、カルチョの世界も絡んでいることが明らかになっています。直接的には、イタリアサッカー協会、ユヴェントス、GEAなど、カルチョスキャンダルで槍玉に上がったのと同じ組織・個人が、テレコムによるスパイ行為の対象になっていたということ。間接的には、テレコム経営陣と関連が深いインテルが、それに何らかの形でかかわっていたのではないかという疑いが持ち上がっていることです。その疑いの根拠となっている材料、その他の事実関係はざっくりいうと以下の通り。

――テレコム・イタリアは90年に民営化されている。その民営化を会長として行ったのが、独禁法の専門家であるグイド・ロッシ(翌91年に辞任)。ロッシは、イタリア独禁法の父と呼ばれる会社法の専門家で、大学教授、証券取引委員長、上院議員、モンテジソン(イタリア最大の総合化学メーカー)会長などを歴任しており、今年の5月からはイタリアサッカー協会(FIGC)の特別コミッショナーとなり、カルチョスキャンダルの後始末を進めていた。ロッシはインテリスタで、2003年までインテルの社外取締役だったこともある。

――99年にテレコムの経営権を手に入れ、このスキャンダル発覚まで会長を務めていたのは、イタリア最大のタイヤメーカーであるピレッリのオーナー会長マルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ。彼はインテルのモラッティ会長の親友であり、モラッティに次ぐインテル第二の大株主。ピレッリは胸スポンサーとしてインテルに年間500万ユーロを支払っている。

――トロンケッティ・プロヴェーラは、盗聴スキャンダル発覚後、テレコム会長を辞任。後任には、FIGC特別コミッショナーを務めていたグイド・ロッシが、16年ぶりに復帰することになった。ロッシは当初、FIGCとの兼任は可能だとしていたが、テレコムのグループ会社であるTIM(携帯キャリア)がFIGCのスポンサー(セリエA、B、コッパ・イタリア、イタリア代表)という利害関係があることから、最終的にはコミッショナーを辞任。後任には、イタリアオリンピック連盟副会長のルカ・パンカッリが就任。

――テレコムにおける組織的なスパイ行為の責任者であるセキュリティ部長ジュリアーノ・タヴァローリ(すでに逮捕・拘留済み)は、そこから明らかになった事実を、テレコムの執行副会長兼代表取締役であるカルロ・ブオーナに逐一報告していたことが明らかになっている。カルロ・ブオーナはピレッリを代表してインテルの副会長を務めている。

――テレコムのスパイ行為の対象には、ユヴェントス、イタリアサッカー協会、GEAワールド(ルチアーノ・モッジの息子アレッサンドロが経営していたエージェント会社)など、カルチョの世界の関係者も含まれていた。理由は明らかではない。スパイ行為を通じて得られた情報の多くは、2004年末に処分されている模様。

――インテルは、テレコムのスパイ行為を受注していたのと同じ探偵会社ポリス・ディスティント(社長のエマヌエレ・チプリアーニは逮捕・拘留済み)に、クリスティアン・ヴィエーリの素行調査wを発注して、対価を支払っている。これはテレコムとは別件

――2002年、ダニーロ・ヌチーニ元主審がインテルの故ジャチント・ファッケッティ会長(当時)に面会を求め、モッジ、デ・サンティス主審などを中心とするカルチョ界の腐敗に言及した。インテルはヌチーニに検察庁に行って告発することを勧めたが、実現せず。

――2003年、「ある人物」(モラッティ談)が、デ・サンティス主審に関する素行調査をモラッティにオファーし、実際に調査が行われた。これもテレコムとは別件。「ある人物」が上記探偵会社社長チプリアーニである可能性は高いと見られているが、まだ裏は取れていない。インテルがこの調査に対価を支払ったかどうかは不明。モラッティは否定している(くれるというからもらっただけ、ということか)。この件については、FIGC調査室が調査に乗り出す予定。モラッティも事情聴取を受けることになる。

――カルチョスキャンダルの発端となった、ナポリ検察局による04-05シーズンを通じた通話傍受捜査(モッジなどが対象)には、テレコムが全面的に協力している。テレコム側の担当責任者はセキュリティ部長のタヴァローリだった。

以上から明らかなのは、テレコム・イタリアとインテルが人的に非常に近い関係にあること、カルチョの世界もテレコムのスパイ行為の対象になっていたこと、インテル首脳はテレコムのスパイ行為から得られる情報を知り得る立場にあったこと、などです。
とはいえ、インテルが直接的に関わったことが明らかになっているのは、少なくとも現時点では、ヴィエーリの素行調査(これはこれでセコい話ではあります)だけ。デ・サンティスの素行調査については、詳細がよくわからないところが多く、FIGC調査室の調査を待つ必要があります。
テレコムのスパイ行為への関わりについては、インテルとテレコム(モラッティとトロンケッティ・プロヴェーラ)が非常に近い関係にあるため、インテルの意思が何らかの形で働いていた可能性もある、という憶測が飛び交っているわけですが、マスコミ報道を見る限り、これについては否定的な見方が強いようです。一部では、インテルがテレコムを通じてカルチョスキャンダルを仕掛けたのではないか、という説までありますが、これはほとんど妄想と言うべきでしょう。カルチョスキャンダルは、トリノ検察局が行ってきたユヴェントスのドーピング疑惑をめぐる捜査が発端だったからです。

最後に付け加えれば、グイド・ロッシのテレコム会長就任は、ぼくはむしろ、ロッシが進めてきたカルチョ界の腐敗一掃、フェアで透明性のある新たな仕組みとルールの確立という改革路線に対して、レーガ・カルチョのアントニオ・マタレーゼ会長、フランコ・カッラーロ前FIGC会長を中心とする守旧派利権集団が、政財界の力を借りて巻き返しに出た結果、と理解しています。断れない仕事を押しつけてカルチョの世界からお引きとり願った、ということではないかと。この話は、始めるとまた長くなるのでやめときます。そのうちどこかに書く機会もあるでしょう。とりあえず今回はこのくらいで。
ちなみに写真は、ピネティーナのごみ箱。「インテルのようにクリーンに」と書いてあります。■





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Last updated  2006.10.01 23:40:06



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