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テーマ:暮らしを楽しむ(388351)
カテゴリ:薬の話
承認年 2011年 開発の経緯 トラムセット®配合錠は、1錠中にオピオイド(非麻薬)「トラマドール塩酸塩」37.5mgと解熱鎮痛剤「アセトアミノフェン」325mgを配合した本邦初の鎮痛剤である。 トラマドール塩酸塩はドイツ、Grünenthal GmbH社が開発したオピオイド(非麻薬)で、μオピオイド受容体に対する作用及びモノアミン再取り込み阻害作用により、鎮痛効果を示すと考えられている。 アセトアミノフェンは1940年代から汎用されているアニリン系解熱鎮痛剤で、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)とは異なり、末梢でのシクロオキシゲナーゼ阻害作用は弱く、主に中枢神経系で鎮痛作用を示すと考えられている。 米国R.W.Johnson Pharmaceutical Research Institute社(現Johnson&Johnson Pharmaceutical Research & Development社)は、作用機序の異なるこの2つの鎮痛剤を併用することにより、多様な疼痛疾患に有効性が期待できることに着目し、配合錠の開発を行った。以後、数々の臨床試験を経て、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠は世界70以上の国と地域で承認されている(2013年8月現在)。 本邦ではヤンセンファーマ株式会社が臨床試験を実施し、非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛及び抜歯後の疼痛に対して効能・効果をもつ治療剤として、2011年4月、承認を取得した。299例の使用成績調査、1,304例の特定使用成績調査を実施し、2017年7月21日に再審査申請を行った結果、2018年9月27日に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないとの再審査結果を得た。 製品の治療学的特性・製剤学的特性 1.非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記の疼痛に対し、優れた有効性を示した。 非がん性慢性疼痛 抜歯後の疼痛 2.国内長期投与試験において、鎮痛効果が52週まで持続し、長期にわたる疼痛コントロールの維持が示された。 3.世界70以上の国と地域で承認されている(2013年8月現在)。 4.重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、痙攣、意識消失、依存性、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎障害、喘息発作の誘発、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少症、呼吸抑制が報告されている。 トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンを配合した本邦初の鎮痛剤である。 販売名 和 名 トラムセット®配合錠 洋 名 TRAMCET® Combination Tablets 名称の由来 有効成分の名前の一部(Tramadol:トラマドールとAcetaminophen:アセトアミノフェン)を組み合わせて「Tramcet」とした。 一般名 和 名(命名法) トラマドール塩酸塩(JAN)、アセトアミノフェン(JAN) 洋 名(命名法) Tramadol Hydrochloride(JAN)、tramadol(INN)、Acetaminophen(JAN)、paracetamol(INN) ステム トラマドール:鎮静剤:-adol、アセトアミノフェン:不明 トラマドール塩酸塩 アセトアミノフェン 抜粋:トラムセット・インタビューフォーム がん治療のための緩和ケアハンドブック 症例・処方例・IC例で身につく!鎮痛薬の使い方から心のケアまで/吉田健史/中川和彦/小山敦子【3000円以上送料無料】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.04.22 04:41:44
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