おせち料理の予約
先日 デパートから おせち料理のカタログが送られてきました息子は 大晦日に 大阪のデパートに取りに行かされる と警戒し近くの 料理屋さんのおせち料理がおいしかったから それを頼もう と提案しています私は 今年 母を亡くしているので あまり派手な祝い事は避けなければなりません母は 表向きの格好はともかく あまりそういうことにこだわらなかったので年賀状は出さないですがおせち料理と雑煮は 仏壇に供えてもらおうと思っておりますおせち料理には 認知症の母との思い出があるからです母が認知症で 入所してから何度か 短い入退院を繰り返しましたが忘れられないのが 正月3日か4日に 肺炎で緊急入院したときの出来事です私は 病院のベッドの脇で 付き添ったのですが熱があっても 点滴をしていてもガサガサするもので 寝付かれず困りました夜中 ふと気がつくと 母はポータブルトイレ の中をのぞき込んでました何をしているのか 聞くと「私 おせち料理を持ってきた筈で 見あたらないから探している」と 母はいいました病院のポータブルトイレでなく仕事場から持ち込んだ 真新しい まだ使ってないポータブルトイレだったのでのぞき込んでも どうという事もないのですが自分の母親が こんなになったか という 情けない思いを味あわされましたけれど その時が お正月であることを不意に思い出した 認知症である母の心が 不可思議で 切なかった事も覚えています認知症は 長期間にわたって 本人だけでなく 家族にも苦しみを与える病気なのですが本人である 母が亡くなってからも 私は 正月が来る度に この出来事を 繰り返し思い出すことになると思いますこう思うと 母が亡くなった1年以内ではあってもおせち料理だけは 準備しておこうと 思ったのです私は 年末年始 黒柴犬花ちゃんを相手にひっそりと 母の探していた おせち料理を味わいます