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あけやんさんのブログでねずみ講のアースウォーカーのことが書かれていた。
昔に僕もマルチに勧誘されたことがある。 これは昨年の春の話である。 証券マン時代の同僚Nから「少し時間を作ってほしい・・・」と電話があった。 Nは友達思いのエエ奴で、退社してからもちょくちょく会っていた。 いつもざっくばらんなところがNのええとこで、なんか他人行儀なので少し構えてしまった。 昼ごはんを食べながら話すことにした。Nも僕と同じで大のクルマ好き。のはずの彼がいつもはクルマに乗って参上するのにクルマではなく電車で来社してくれた。 クルマどないしたんと聞いたら、もうクルマ売ろうと思ってて、今査定に出してるという答えが返ってきた。 「ほんで、またクルマ買おうと思ってんねんけどな・・・」 あぁ、クルマのことで相談に来たんかと思っていた。 ポルシェの911かベンツのCLSどっちか買おうと思ってんねん・・・。 新車で購入することを検討しているらしいがどちらも1000万以上するクルマである。 彼は証券会社退職後、生命保険会社に転職し、脱サラして一昨年会社を立ち上げた。 いわゆるベンチャーである。もちろん、立ち上げた会社もまだまだ軌道に乗っているはずもなく、そんな高級外車をおいそれと買える余裕はあるはずがない。 だんだんとうさんくさいと思い始めてきた。 昼ごはんを食べながら話を聞き始めた。 ロバートキヨサキ著の「金持ち父さん・・・」の話をしだした。 その本は僕も読んだことがあるので、知ってるわというと「ほな、話は早いんやけど・・・」と権利収入の話をして→ネットワークビジネスの話になった。 正直、あぁ~またかという気分である。ウザイだけ。 もう、何回か聞いたことがあるし、やる気は微塵もないので話をうわのそらで聞きながら、どうやって断ろうか考えていた。 僕の愛読マンガ「ナニワ金融道」にもマルチの話が登場するが、マンガでは現職刑事が本業そっちのけでマルチ商法の罠にはまっている。 よりによってなんでお前がそんなことになったん・・・?と聞きたかったが、意気揚々と話している彼に「そんなうまい話ないで」と言ってあげるのがいいのか、今日のところはお茶を濁して後日きっぱりと断っておけばいいかとか考えてしまった。 Nは、何の疑いもなくそのビジネスのいいことばかりを話していたが、僕の心を動かすことは不可能である。小さい頃から親から「世の中うまい話はない」と耳にタコができるくらいしつこく言われてきたし、もし、ほんまにうまい話だったとしても全く興味がないし知りたくもない。 ポルシェを買うという話も、ネットワークビジネスでコンスタントに収入が入るようになったから会社がローンの一部を肩代わりしてくれるということであった。 なんか僕とは仕事観が違う。 古臭い考え方かも知れんけど、汗水たらして頑張って働いた対価がクルマであり、家でありというなら納得できる。しかし、何のリスクもなく自由に自分の時間が持てて、人にこのビジネスのよさを伝えるだけで濡れ手に粟(ポルシェ)みたいな話をされても全くピンとこない。(実際はハイリスクなのだが・・・) Nが大金持ちになる日はくるのだろうか? ネットワークビジネスなんかじゃなく、立ち上げた会社の本業でもっと精を出してほしいものである。 以前、このことについて別の友人と話し合ったことがあった。 討論の結果は、やはりみんな同意見だった。 もし自分がマルチをやっていても友達には絶対に薦めないし、やっていることも内緒にするということである。 友達を勧誘することによって、もしかしたら友情関係が崩れてしまうというリスクもあるし、それよりもマルチをやっているということを恥ずかしく言えるはずがないという結論になった。 自分に置き換えて考えてみると、友達Aを勧誘する時というのは、もうAと友達でなくなってもかまわないという覚悟の上で勧誘するだろうと思う。僕ならばそんなリスクを冒してまでマルチをしようとは思わない。 しかし、これがマルチの現実であり、泣き所なのかも知れない。 いきなり知らん人に声をかけても、その人が入信するはずがない。気持ち悪がられるだけだと思う。 だから、顔見知りから声をかけていかなければならないのだろう。 僕らの理論からすると、昨年僕を勧誘してきた友人Nは、もう僕とは友達でいられなくてもいいという覚悟があったのか?とふと考えてしまう。もしそうであるならば、とても寂しいことだけれども・・・。 友人Nの場合は、奥さんが学生時代からマルチに傾倒していたらしく、奥さん→Nといういたってスムーズな入信であった。(オレなら辞めさすけど・・・) マルチは宗教となんら変わりないと思う。 親ねずみが従順な子ねずみを洗脳していく・・・。あぁ~恐ろしい・・・。 僕はN以外に10年ほど前にもマルチに勧誘されたことがあった。 ラーメン屋で友達になった30ぐらいの女性に・・・。 そのおばちゃんはアムウェイの入信者で夫婦で入信しとった。 外車を2台も乗り回してたからそこそこ成功してるんやろうと思う。 まぁまぁ面白いおばちゃんだったので仲良くなり、アムウェイに入信しないかというお誘いを受けた。僕は、もちろん断ったが・・・(あたりまえだのクラッカー)。 このおばちゃんは後に僕のお客さんになり、株で大損。おれの勝ちじゃボケ! マルチで儲けたお金がみるみるうちになくなった。 入信を迫られ徐々に疎遠になりつつあったのだが、大阪ドームで頑張ったねずみ達の表彰式があるので一緒に行かないか?と誘われた。「あほくさ!何が悲しゅうてオレがそんなもんに行かなあかんねん」と思ったのだが「前座でスティービーワンダーのコンサートもあんねん」と言われ「行きます」と即答した。 少しだけ脱線するが、僕は大学生の時はモータウンにはまっていた。 モータウンのアーティストばっかり聞いていた時期があった。 モータウン ミュージックを知らん人のために少しだけ解説・・・。 モータウンとは1959年にデトロイトで始まった黒人レーベルのことで、ベリー・ゴーディ・ジュニアっていう人が創始者である。 モータウンの主な所属アーティストは、スティービーワンダー、マービン・ゲイ、ジャクソン・ファイブ、ダイアナ・ロス、テンプテーションズ、アイズレー・ブラザーズなどなど凄いアーティストがいっぱいおって Boys トゥー Men なんかも有名である。 スティービーワンダーの生歌がただで聴ける・・・。そんなことは二度とないと思い、ドームに向かった。おばちゃんから枝になっている子ねずみ達も数人来ていた。 コンサートは確か1時間ぐらいあったのだが、鳥肌がたつくらい興奮したし感動してしまった。 大好きなモータウン ミュージックを生で聴き、目の前にスティービーワンダーがいる・・・。 マジで感動のあまり泣きそうになった。 コンサートが終わると、いよいよ頑張ったねずみ達の表彰式が始まった。 みんな、マツケンサンバもびっくりの金ぴかハデハデの衣装に身を包み、ステージ上で表彰を受けていた。 大昔、問題になった足裏診断で有名な法の華 福永代表の「最高ですかぁ~?」という決まり文句があるが、マルチの場合は「あなたの夢は何ですかぁ~?」からはじまり「夢をかなえることは簡単です、私たちを、この素晴らしいアムウェイを信じて・・・」っていうのが決まり文句である。 この光景や観客達をずっと冷めた目で見ていて、あぁこれは宗教やなぁと思った。 親ねずみ達の「信じるものは・・・」という言葉を、従順な子ねずみ達が一言一句漏らさず食い入るように聞いている様子をみて恐怖感さえ覚えてしまった。 マルチというのは、自分自身の人脈、親子であるとか友達であるとか、先輩後輩であるとかそういった人脈という財産を現金化していくシステムなんやと思う。 マルチの企業哲学というか、ポリシーには微塵も同調できない。 友達との友情に値段をつけられますか? 自分の人脈という財産を刈り取って現金化しようと思いますか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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