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2020.04.20
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カテゴリ:西忍寺道場
今日のおすすめの本は、池谷裕二著「できない脳ほど自信過剰」です。
この中私が、参考になるなと思う文章は、これです。

「一般に記憶は正確であっても、高速であっても不都合です。
ゆっくりと曖昧に覚える必要があります。
学習が正確すぎると記憶の照合に齟齬が生じ、物の「同一性」を
捉えることができません。」

昔、大東流の武田惣角先生がセミナー方式で技を教えていた時に、やるたびに技が違って、
習う人が「いったいいくつ技があるんだ?」と戸惑っていたという話を聞いたことがあります。

これは、武田先生が、もともとあったいくつかの技を即興的に応用して教えたもので、教える
たびに違うのは当然だと思います。

昔の武術家もそういった教え方をしていて、メモをとることすら許されずに次から次へと技を
見せられ、うろ覚えのままで稽古し、そしてまたその弟子に伝えていく。

これをいちいちまじめにメモをとりビデオに撮っておけば、数百の技ができあがってしまう。
しかし、昔はメモも許されず、ビデオもないので、習って家に戻ってすぐ書き留めて。それを教科書にしてまた自分で稽古するといった、まじめで優秀な弟子もいたと思います。

そういったまじめな弟子たちが残した伝書は、今でも脈々と受け継がれており、古伝の技を知る貴重な資料となっています。

しかし、その伝書を書いた弟子で、名人、達人がいたかというと、意外といないのです。
もちろん、その流派の創始者が書いた伝書は、創始者=達人ですから、それはいいのですが、途中でその流派の門人が、師匠の教えや技を忠実に書き留めたものについては、それが克明でわかりやすいものであればあるほど、その筆者が達人として知られていないという、事実があります。

それに創始者が書いた伝書は、ただ技の名前が箇条書きでかかれてあるだけだったり、わけのわからない和歌や川柳などが書かれていたり、理解不能なものが多い。

これは何を示しているかというと、上記の本の「学習が正確すぎると、物の同一性を捉えることができない」ということにつながるのではないかと思います。

技の同一性が理解できなければ、技の原理原則を理解できないので、応用ができず、実戦の役には立ちません。

当然、その流派の基本の型、基本技というものはありますが、それは指で数えるほどのものだと思います。それが数十、数百なんてあるわけがない。
基本は、正確に崩さずに伝える必要はありますが、それ以外は全部、基本の応用です。
師匠は、ある程度基本を教えれば、あとは適当でいいと思うので、そのつど即興的に技をやってみせ、弟子がその原則をおさえた動きをしていれば、また次の技を即興でやってみせる。

正直、私の師匠も、師匠の師匠から教わった技の全てを覚えているわけではないと思います。
そして、やはり教わるたびに違う技を見せていただきますが、基本は同じなので、それがわかっていれば、細かいところは言わないといった教え方です。

それを佐藤金兵衛師翁のことを雑誌でとりあげたのを読んで、なんでうちの師匠は、この雑誌に載っている佐藤老師の技を教えてくれないんだろう?と疑問や不信感を持つのは意味のないこと。

もちろん、先生はその技を習ったかもしれないし、忘れたかもしれない。
あるいは習っていないかもしれない。
しかし、佐藤老師も伝統武術家で、即興的に教えることもあるので、それを正確に自分の弟子に伝えることはなくても問題はないわけです。

よく、この技が伝わっていない門派は嫡流ではないとか、正統ではないとか言う人もいますが、これは伝統武術のありかたが、脳のしくみまで理解しているものだということにまで考えが及んでおらず、残念なことだと思います。


【中古】できない脳ほど自信過剰 / 池谷裕二





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Last updated  2020.04.20 17:46:47
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