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カテゴリ:エッセイ
いつの間にか庭に椿の花が咲いているのを見て、ああ、岡田准一さんのあの映画、良かったなあと思い出しながらも、今日も「願立剣術物語」を眺めています。
「敵の構え、せいがん或いは陽、或いは陰、いかようの構えにてもあれ、敵と面向かいの方へ我独りことの車をとばしむべし。」 「せいがん」っていうのは確か中段の構えですかね。 あと「陽の構え」とか「陰の構え」とか、古流武術にはありがちな名前です。 剣術というと、よく禅と結びついているように思われがちですが、いろいろ伝書などを見ていくと、陰・陽・太極とか、中国の古典哲学から引用しているものが多い。 もちろん、太極拳もそうなんですけど・・・・。 むしろ、禅の言葉の引用などは少ないと思います。 だから、日本の古流剣術の理論と太極拳の理論は共通するものが多い。 太極拳愛好家の私は、非常に重宝しています。 まあ、それはそれとして・・・・。 本題に戻ります。 結局、相手がどんな構えであろうと、こっちはこっちの車を飛ばせばOK!ってことなんだと思います。 いやいや、相手に自動車で突っ込んでいけ!ってことじゃなく、自分の動きを車輪のごとく回して向かっていくだけだ!っていう勇ましい話。 「敵、押さえんとし、或いは車を手取りにせんとすれば、水火の性のごとくなる天性の車輪なれば、敵、押さえんと思う心の移る間もなく、車は飛び行き押さえんとする者は忽ち輪の下に成りて砕けたるなり。」 敵がこちらの車輪の動きを取り押さえようとしても、こちらの動きは水のような火のような動きをするような車輪だから、どんなに止めようとしても車輪の下敷きになってしまうだろう。 「水火の性」っていうことは、水の性質と火の性質ということ。 流れ込んでくる水を手で押さえて止めようとしても流れ込んでくる。 火は振り払おうとしても、その払おうとした手に燃え移ってしまう。 結局相手は、こちらの動きを止めることができず潰されて砕けてしまうだろうということ。 つまり、火や水のように相手の身体を包み込んでいくような動きをすればいい。 それが車の動きだということか。 風船に水を入れて指で押さえつければ、その指が食い込んだ分だけすぐ隣の部分が盛り上がる。 掌で押さえつければ、さらに大きく周辺が盛り上がる。 さらに強く押さえつければ、風船は割れて水がその人の身体を襲うだろう。 相手が軽く攻撃すれば、軽く同時に攻撃する。 相手が強く攻撃すれば、強く同時に攻撃する。 さらに相手が強く攻撃すれば、強く同時に相手を吹っ飛ばす。 相手が弱く防御すれば、こちらも弱く攻撃する。 相手が強く防御すれば、こちらも強く攻撃する。 さらに相手が強く防御すれば、こちらは相手の身体ごと潰してしまうだろう。 こんな解釈でいいかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.11.15 16:49:01
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