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テーマ:純粋バカ一代(1051)
カテゴリ:純粋バカ一代
【第8章】------------------------------------------------------------
しばらく経ったある日、鬼美人好きの先輩に 「あの子、どうしてます?」 と訪ねてみた。 先輩は、気まずそうに 「実は、あの後施設に入ったんだよ」 「施設って?児童擁護施設みたいなところですか?」 「親のない子とかが入るところのようだ」 「もちろん、そこでは食べられるんでしょう?」 「ああ、食べられるし、風呂もあるし、ベッドもあるし……けっこういい暮らししてるんだよ」 と言ってから、父親はばつが悪そうに下を向いた。 そのいい暮らしは、あなたがさせてあげるべきことだけどね…… 「ところで、前の奥さんはどうしてるんですか?あの子の実のお母さんは?」 「いやあ。以前はうちには来られなかったけどな。施設には行けるようになって、たまに会いに行ってるみたいなんだ」 あの子も、あの鬼美人と一緒にいたら、余計にほんとの母親に会いたかったろうな。 オレは横を向いてニヤッと笑って 「すべて、うまくいったか」と小声で言った。 おとうさんはオレの声に気がつかなかった様子だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.28 10:47:47
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