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テーマ:純粋バカ一代(1051)
カテゴリ:純粋バカ一代
【第1章】------------------------------------------------------------
札幌で警備員をしていた。会社の配置係からの指示で、交通誘導や施設警備などをしていた。 ある日、課長から直接電話があった。珍しいことだ。いい話だろうか、注意・叱責などの悪い話だろうか。 課長はオレに気を使ってる風に、ゆっくり言葉を選びながら話している。ある会社の夜間警備らしい。 「あの~その会社は、うちでは始めての取引でな……ヤマザキくんが適任じゃないかって……いや、俺が言ったんじゃなくて、みんなが薦めるんだよ。ヤマザキくんがいいって……」 課長が『責任回避』してるように感じて、あまりいい現場じゃないなと思っていた。たしかに、以前大手ゼネコンの現場に初取引ではいったことがあって、そこは継続的に依頼があって成功していた。だが今度は、誰も行きたがらないゴミ仕事という可能性もある。 オレはその時23才。環境がよくても悪くても飛び込んでみよう、という年頃でもあった。その経験が後に役に立つということも、うすうす感じていた。 後日、課長とふたりでその新規契約会社に打ち合わせに行った。 その会社は、高いフェンスに囲まれた古い工場のようだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.29 06:31:23
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