|
カテゴリ:カテゴリ未分類
それは俺が歩道の端でボーッと立っているときだった。向こうから白い杖をぶら下げた人が来て、俺の1メートル手前で立ち止まった。俺はとっさに「あ、すみません、通り道を塞いでしまって亅と言うと、その目の不自由な人は「こちらこそおじゃまをしたみたいですみません亅と言った。
考えてみると不思議だった。その人は白い杖をコツコツとならし俺の体に当たって止まったわけではない。白い杖はぶら下げてるだけで役目をしているようには見えなかった。 俺は聞いてみた。「すみません、ボクが立ってるのがわかったんですか?亅「ええ、なんとなくですけど亅「ええ!、失礼なこと聞くようですけど、おいくつのときから目が不自由になられたんですか?亅「目が見えないのは生まれつきです亅「ええ!なんですって?それで人が立っている事に気がついたんですか?亅「ええ、なんとなくですけどね亅「すごいことだな亅 ずっと盲目の人の通行を阻害していたことに気がついて、「すみませんでした。貴重なお時間いただいちゃったみたいで亅と言うと「こちらこそ、貴重なお話しをありがとうございます亅と言う。 「今日お会い出来たことを嬉しく思います亅と言うと「わたしもあなたのような素敵なお顔の方にお会いできて光栄です。亅と言う。「顔?顔がわかるんですか?今まで一度も現物を見てないのに?亅「ええ、それもなんとなくですけど亅「やっぱりすごいな亅 それで「じゃあ、お気をつけて亅と通してあげた。その人をずっとみていたが、普通の人みたいに歩いて行った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.21 07:17:05
コメント(0) | コメントを書く |