J.S.バッハのインベンションとシンフォニア。言ってしまえば、バッハが自分の子供達の鍵盤楽器(クラヴィーア)の教育のために作られたような作品で、2声のインベンション(15調)と3声のシンフォニア(15調)で構成されていて、曲順も初稿は半音階順にならだものだったんだけど、最終稿は曲の難易度順だったみたい。園田の演奏は初稿に従ってるッス。
そういうわけでお子ちゃまのピアノの発表会とかに演奏される曲なんだが、そういった教育目的で需要があるんで、原典版にない表現記号を校訂者が補筆した「実用版」が多くて、校訂者の解釈も多種多様なので、その意味でいろいろな演奏者の演奏を聴き比べするのはけっこう面白い。かく云う自分も園田の演奏の他に、グレン・グールド、タチアナ・ニコラーエワのLP盤を持ってます。プレイヤーがないんで押入れの中ッスけどね。おすすめは楽譜も手に入れて演奏を聴きながら楽譜を辿ってみるという聴き方っすかね。
元はといえば冨田勲のシンセサイザーで、この曲の一部を聴いたのが最初。その後吉田秀和氏の本「世界のピアニスト」と出会って、オススメの演奏家として園田とグールド、アルド・チッコリーニを推薦されてたんだけど、チッコリーニの盤にはとうとう出会えなかったなぁ。
実は自分も楽譜本を手に入れて、大学で教職の免許を取るためにピアノを少し勉強してた頃、右手だけでインベンションの一番ぐらいなら弾いたことがあるだよね。対位法なんで両手で弾くの難しいんだよ。