カテゴリ:砂的博物誌
A strong man has them afterwards. 弱者は決断する前に疑問を持ち、強者はその後に疑問を持つ... 野生の植物を観ていて、いつも感心することがある。 自然の中の植物には、生きるための迷いや邪念が一切ない。 植物は、光に向かってひたすら真っ直ぐ枝を伸ばし続け、 嵐で折れても、岩に阻まれて曲がっても諦めることがない。 人は、緻密に思考する知能と感情を持つ分だけ、植物より弱い。 ときに知能は恐怖を生み、理性は行動を抑制し、感情は弱さをさらけ出す。 植物のように無心になれたなら、人はもっと楽に... そして、さらにシンプルに生きられるのに。 意識もなく身動きせず、死んだような状態を植物人間というけど、 魂を持ちつつ、生きることに迷いのない植物に、随分無礼な言葉だ。 人って何様だろう? 自然の中では小さな花より非力なクセに... 雑木林の木漏れ日の中で、射干(しゃが)が咲いているのを見つけた。 漢字では、著莪と書くこともあり、胡蝶花という別名もあるようだ。 射干はアヤメ科 アヤメ属の常緑の多年草で、Iris japonicaと、 学名に"日本(japonica)"を冠するけど、古い時代に人為的に持ち込まれたそうで、 自然に自生するものは、古い時代に人が住んだ痕跡だとする説がある。 人が去った後も、射干はそこに根づいて、生き残っているそうだ。 人は、易々と移動できるけど、植物はそこ生きるしか術はない。 野生の花には、逃げ場のない覚悟と、生き抜く逞しさを感じる... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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