XMRV?
こんな記事を見かけました。前立腺がん患者がXMRVウイルス感染 日本人で初検出日本の前立腺がん患者が、XMRVと呼ばれるウイルスに感染していたことが、大阪府赤十字血液センターや京都大などの調査で分かった。米国の前立腺がん患者で感染が確認されているが、日本人では初めて。ウイルスががんの原因かどうかは不明だが、実態調査が急がれそうだ。27日、岡山市で開かれた日本ウイルス学会で発表した。とのこと。がんにかかわるウィルスといえば、HPV,HTLV,EBV,HCVなどが知られていますが、XMRVは初めて聞いたな、と。ちょろっと調べたところ、Xenotropic MuLV-related virus(XMRV)ということで、マウス白血病ウィルス(Murine Leukemia Virus)に似た配列を持っているらしいです。Xenotropic(異種指向性)ということなので,マウスからヒトなどの異種には感染するというウィルスなのでしょうかね?また、どの論文を参考にしたのかはわかりませんが、はみだしラボノート XMRVによると、前立腺がんにかかった人の4割がこのウイルスにかかっており、さらに詳しく調べると,この感染者はレトロウイルスに感染した際の防御システムのひとつのRNAse Lという酵素に変異が入っていたそうです。ウィルスによる病態が見られるようになるには、まず、標的となる細胞への感染が必要になる。細胞も、そのようなウィルスに対する防御機構・免疫システムを持っていますが、その防御システムに関わる遺伝子に変異がある人がいるとは、なかなか興味深いかも。その遺伝子の違いで、前立腺がんのリスクや、新たな治療法。また、前立腺がん発症に、このXMRVが関わっているのなら、HPVのように予防薬・ワクチンの開発も望めるかな、と思います。また、この記事によると、27日、岡山市で開かれた日本ウイルス学会で発表したとのことですが、今回、ウィルス学会に行ったのって、ボスだけかな?いいなー、自分もいってみたいなーと思った黒山羊でした。(背後に、英語・・・実験・・・の影がちらついていたり。。。orz)うちのラボで、研究テーマになることは・・・ないか。