ロッシーニ「マホメット2世」 Part2
「お前はエリッソ?」
「そうだ」
嫌な予感がするマホメット2世。
「お前は以前コリントの司令官だったか?」
「そうだ」
「!!(アンナの父親ではないか!)」
しかし従わないエリッソにきれたマホメッドは部下に命令する。
「わかった! こいつらを拷問にかけろ!」
引き立てられていくエリッソとカルボ。
そこへ
「やめて!」
アンナが現れる。
「私のお父様を助けて!」
マホメットにひざまずく。
「アンナ!」
アンナは驚愕する。
「ウベルト!?」
(憎い敵だったなんて!)
動揺する娘。でも父親の命乞いをする。
父親は
「このふしだらな娘め!」と娘を突き飛ばす。
でもアンナはマホメットに
「父と兄の命を助けて!」
(兄だって?)
顔を見合すカルボとエリッソ。
アンナはカルボの命を救うために機転をきかせたのだ。
マホメットは自分になびけば父と兄を助けようと約束し、手錠を外させる。
手首をさするメーリ。演技細かいよ。
合唱。メーリは歌わずにカルボの肩に手をおいて後ろを向いている。
最後の高音伸ばすところだけ振り向いて歌った。
さっさと退場するメーリ。
マホメットの部下に連れ去られるアンナ。
カルボと無理やり引き剥がされる。
第1幕了
第2幕
マホメット2世の天幕の中。
ゴージャスな真紅のビロードの天幕。
美しい女たちはアンナに赤い服を着せ、ネックレスをする。
「人生楽しむときもあっていいわ…」
アンナは浮かない顔。
首飾りを引きちぎる。ティアラを外し投げる。
「私にはもう死しかないわ…」
マホメット2世が入ってくる。
人払いをする。
嘆くアンナに、非常に優しく接し、気持ちを変えようとする。
ここのマホメットのプレーボーイ振りが実にうまい。
とにかく抱きしめて優しく見つめて頬を寄せて。
別の一面を見せるマホメット。彼も苦しんでいるとわからせる。
しかし頑固なアンナに次第に業を煮やし、ついには力づくで無理やり押し倒してキスする。
そこで騒ぎが。
ベネツィアの軍勢が盛り返し、トルコ軍を皆殺しにしたのだ。
人々は怒り狂い、マホメットのテントに押しかけている。
鶴の一声で対立をやめさせたマホメット2世
「やめるのだ」
戦いに戻るマホメット、装束と鎧を見につけながら歌う部分は圧巻。
アンナには帰ってくるときまでに気が変わっていなかったら死が待ってると告げる。
アンナは機転を利かせ、身を守るものをくれとマホメットに言う。彼は帝国印(指環)を彼女に渡す。
「これがあれば通行自由だ。命の保証だ」
第2場
アンナの母の墓。
助かったものの捕虜の身のカルボとエリッソ。人目を避けて墓場にやってきた。
墓に下りてから驚愕するエリッソ。
「これは妻の墓ではないか!」
気づけよ…
妻が大好きだったエリッソは妻を思って歌う。美しく、声を押さえて歌うメーリ。
エリッソは娘がメフメトの玉座を約束され心変わりしたのではないかと絶望している。
そんなエリッソを励ますため、カルボは歌う。
「彼女はそんな人じゃない。」
ここはカルボの見せ場。拍手。
人影が。
墓の陰に隠れるエリッソとカルボ。
しかし。
「お父様!」
「アンナ?」
「さわるでない!」
「これは帝国印よ これを持っていって」
「そうか」
あっさり受け取るエリッソ。
エリッソは砦に戻って軍を立て直したいのだ。
「これで義務は果たしたわ。それからここでカルボと結婚したいの。」
驚く2人。
気持ちを察し、二人に結婚式を挙げさせるエリッソ。
手と手をつなぎ十字を切る。
すぐに耐え切れないように泣き崩れる。
エリッソは娘が死ぬ気でいることをわかっているのだ。
エリッソとカルボはアラブ人に化けて出て行く。
「お父様の意思どおりに」カルボと結婚したアンナ。
「これでやることは半分終わったわ。」
あとは…
自分が死ぬことだけだった。
女たちがアンナに告げる
「早くお逃げください、男たちがあなたを殺しに来ます!」
ベネツィア軍が勝利したときかされ喜ぶアンナ。
アンナは逃げない。
「逃げるなんてとんでもないわ」
アンナは決意を歌う。
男たちに取り囲まれ剣を突きつけられる。
「さあ殺しなさい!」
男たちは気をそがれる。
マホメットがやってくる。
剣を控えさせる。
マホメット
「墓場にいるのか!まだ早いぞ。これから死ぬところなのに」
「帝国印を返せ。」
「あら父と夫から取り返せなかったの?」
「父と夫?」
「さっきここで結婚したのよ!」
怒るマホメッド。
「聞いてないぞ!」
アンナは自害する。
アンナはマホメッドに抱きついて見つめあい、抱きしめあい、事切れる。
がっくりとうなだれるマホメッド。
全幕了。
おつかれさまでした。
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最終更新日
2008年11月23日 23時43分21秒
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