新国立トリスタン Part3
Part2の続き
※内容にふれますのでご注意ください。
第3幕
さあ、問題の第3幕です。
海岸。
海辺に椅子を置き座っているように寝ているトリスタン
しもてに高い岩場がある。
傍らに控えているクルヴェナル。
傷を負い死を待つだけのトリスタン
羊飼いは笛を吹きながら(実際は吹いてない)、高い足元の悪い岩場から降りてくる。
羊飼いはトリスタンがなぜ傷を負ったのかわけを知りたがりますが、クルヴェナルに一蹴されます。
トリスタンが目覚めるとクルヴェナルは喜びますが、トリスタンは迷妄状態にあります。
トリスタンは自分が死の世界にいたことをクルヴェナルに語ります。
イゾルデのことに言及すると次第に興奮が募ってきます
いったいいつになったらあの明かりをけしてくれるのか!
クルヴェナルはイゾルデを呼び寄せたことを打ち明けます
トリスタンは興奮状態で喜びます。
クルヴェナルの忠義をねぎらうトリスタンのシーン、ここが涙ものです。
しかしトリスタンはまた自分だけの悩みの世界に囚われていきます。
トリスタンは船が来るという妄想で叫びます
お前には見えないのか?
トリスタンは倒れてしまいます。
ここからが問題のシーンです。
船が来ない合図の悲しげな笛の音。
それを聞いてトリスタンが回想にふけるシーン。
生まれたときにもう父も母も死んでいた。
トリスタンは倒れながら歌うのでプロンプターボックスが見えなかったのでしょう。
プロンプターが声を出してセリフをつけ始めます。
最初それはそでで誰かがしゃべっているのかと勘違いしてました。
しかしそれはプロンプターが歌いだしの数秒前に歌いだしのセリフを言っている声だったのです。
頭が真っ白になったのか、わからなくなるともう全部飛んじゃうのか。彼はプロンプターや指揮を見て歌うような感じはまったく受けなかったので、きっと彼の記憶だけでやってたのだと思う。1節飛んじゃうとごっそり飛んじゃうのか。プロンプターが心配して先回りしてつけていたのかそこはわかりません。
クルヴェナルが凍りついたように歌うトリスタンを見つめているシーン。私も頭が真っ白になりました。
彼らは舞台のしもてに移動します。
あの秘薬は他でもない自分が醸造して飲んだのだと歌います。
倒れるトリスタン。
クルヴェナルは悲嘆します。
このへんがもうすごくいいです。
トリスタンを起こすと生きているのがわかって
まじで喜びます。ラジライネン。
トリスタンが大きく反応したのでびっくりしたのか
良かった!(Wonne!)
の声に笑いの響きが混じります。
ここで目覚めたトリスタンが
Das Schiff (船は!)
と聞くのもプロンプターがセリフをつけていました。
ああイゾルデ!
なんて美しいんだ…!
ついに船がやってくる
船は座礁を逃れて浜へ着く
クルヴェナルは迎えるためかみてに消える
ここからたった一人トリスタンの見せ場。正直心配。
トリスタンの喜びと絶唱。
手は血だらけになっている
(服に血はないのになぜか手のひらだけ)
彼女のもとへ!
と歌ってトリスタンは倒れる
イゾルデが現われる。
イゾルデ…と歌って死ぬトリスタン
ようやく死んで良かったと安堵する私。
これからはイゾルデの出番。
イゾルデは気絶する。
クルヴェナルは悲嘆と憤慨をにじませながら現われる。
メーロトが現われる。クルヴェナルはメーロトに倒れているイゾルデとトリスタンの姿を憤懣やるかたない様子で示す。そしてメーロトを刺し殺す。メーロトは「トリスタン…」と叫び死ぬ。
ブランゲーネがしもてからやってくる。
マルケ王がかみてから抱えられてやってくる。
しかしここのマルケの歌唱、オケがすごすぎて声が飛んでこない。埋もれていた。
マルケはブランゲーネと目を見合わせ状況を確認する。
クルヴェナルは大立ち回りでマルケの部下たちに討たれる。このへんがもうすごくかっこいいんですよね。時代劇してるよ~
クルヴェナルは最後まで忠義の部下の姿を見せてこときれる。
マルケは悲嘆する。
マルケはトリスタンが座っていた椅子に座る。
イゾルデが目をさます。
イゾルデの絶唱。
もう、これがすばらしい!
Mild und leise
の leise で声がかすれる
どきっ!
しかし後は盤石に歌いきった。
さすがです。
大きな大きな赤い月が沈んでいく。
それと呼応するかのように
赤いドレスのイゾルデは歌い終わると水辺に入っていく
全幕了
最後の照明の消えるのは音が消えるのと同時にしてほしかったな~
すぐに大拍手
間がもう少しほしかった。残念。
大喝采
でもだいぶ観客も疲れてたと思う。
カーテンコールがだいぶ続いた
スカラ座ほどじゃないけどね。
おつかれさまでした。
すばらしかったです。
やはり主役の2人がすばらしいとオペラは本当に生きてて良かったと思わせてくれます。