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2017年06月07日
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カテゴリ:OPERA

テノール城 宏憲さんと指揮者の村上寿昭さん(ピアノ)
Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artists

城 宏憲テノール・リサイタル
日本声楽家協会 第110回 独演コンサート
城 宏憲(テノール)

2017年6月7日
日暮里サニーホール

ピアノ:村上寿昭

***
今日は本当に城 宏憲さんの歌を聴けて良かった!
アリア10本 直球勝負!
他のテノールは絶対やらないこと。
こんなプログラム見ちゃったら行かないわけにいかない。

特にVerdi が特筆すべきすばらしさ。
日本人でテノーレ ヴェルディアーノはとても珍しい。
城さんの強く押す声、強靭で圧倒的な声がぴったりなのだ。

前半はすべてフランス語 後半はドニゼッティ ヴェルディ プッチーニ!
アンコールはDein ist mein ganzes Herz
と コーレングラート

ピアニストが指揮者の村上さんという贅沢さ。オーケストラのイメージを伝えてあまりある演奏。

真摯で真っ直ぐな 逃げないテノール城さんは人間としても素晴らしい。

声質は異なるが随所でヨナス・カウフマンがよぎりまくりだった。

グルック
「オルフェオとエウリディーチェ」から
♪エウリディーチェを失って
J'ai perdu mon Eurydice

憂愁の表情を浮かべる
1曲めからなにこのフルスロットル!
来てます。

城宏憲さんトーク(以下、メモを元に記述)「きょうは関東地方入梅しましたがそれを吹き飛ばすようなテノールの晴れやかな歌声をお聴きください…(笑)(なんちゃって的な笑いを浮かべる)。今日は指揮者の村上さんと練った10曲です。村上さんと私という「今日限定」の組み合わせを楽しんでください。前半がフランス語、後半はイタリア語です。」

グノー
「ロミオとジュリエット」から
♪ああ、太陽よ、昇れ!
'Ah lève toi, soleil ' from Charles Gounod's Romeo et Juliette

オペラティック!
すごい声量、豊かで強靭な声。オペラの舞台で歌う声量でここ100席の会場で歌ってる。
パレ〜の高音 2回と最後の1回決めた!

マスネ「ウェルテル」から
♪オシアンの歌
Werther: Lied d'Ossian
Pourquoi me reveiller

これは声が彼にぴったり合ってる。
まじすばらしい。
激情ほとばしる歌唱がぴったりだ。

城さんトーク「オペラは劇場の文化。元は戯曲だったり原作があったりドラマティック。人も金もかかる。「カルメン」は昨年9月に群馬で村上さんと一緒に演奏した。客は高校生。群馬交響楽団との演奏だった。高校生の前で歌った。ふと見ると寝ているやつがいる!(客大笑)僕が、アンコールで♪ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ)も歌ったのに、寝てるんだ!しょうがない、授業の一環だし疲れてるんでしょう。村上さんと二人でそれで熱くなって、おおーお見送り行こうぜ!と熱い思いで高校生を見送った。」この話を熱く語る城さん、村上さんも苦笑。城さんストレートトークがおもしろすぎる!

ビゼー「カルメン」から
♪花の歌
La fleur que tu m'avais jetée

城さんの十八番。最高音のトワーも胸声でいった!すごい!さすがオハコだけある、圧倒的歌唱。

チレア「アルルの女」から
♪ありふれた話(フェデリーコの嘆き)
"È la solita storia del pastore"("Lamento di Federico")
from the opera L'arlesiana by Francesco Cilea

すばらしい!激情の表現がすごすぎる。ドラマチックな表現がしびれるほど魅力的。このアリア、カウフマンが歌うのも聴きましたけど、そう。この歌は非常にドラマチックに歌われるべきなのです。そのへんがカウフマンを思い起こさせる。声はカウフマンはバリテノールというぐらい低いが、城さんはもっと高い声で美声。

***

後半
いよいよテノーレ城の本領発揮の世界となる。

ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」より
♪我が祖先の墓よ~やがてこの世に別れを告げよう
Tombe degli avi miei … Fra poco a me ricovero

すばらしい!
前半の半音上がるところも強靭に!
中間部はエンリーコの居城の方向を眺めながら怒りに震える。
後半の嘆きの歌唱、すばらしい!
カデンツァの最高音もクリアー。

城さんトーク「2017年からこの曲もレパートリーに入れていく。今日は人生で2回目の演奏。テノールは、苦しい、悲しい、歌が多いけど、…中には又吉秀樹さんのように明るい、楽しいテノールもいますけど…(笑)人には向き、不向きがあるわけで… ルチアのテノールも初演歌ったのは「悲しみのテノール」と呼ばれた人だ。

ヴェルディ「マクベス」より
♪おお我が子たちよ、お前たちを守る父の手は
O figli, o figli miei!...Ah, la paterna mano

マクダフのアリア、城さんにぴったりです!これが本当にすばらしかったです。カデンツァも刺すように鋭く強靭。妻子を殺されたマクダフの悲しみ、そしてマクベスへの怒りを表現する。

そして

ヴェルディ「ドン・カルロ」より
♪私は彼女を失った~私はあの人の微笑を見た
Io l'ho perduta!...Io la vidi, e il suo sorriso

スバラシイ!
ザルツブルク音楽祭のドンカルロのヨナス・カウフマンを思い出す。
入り込み方がすごい。城さんはヴェルディの人かもしれない。

城さんトーク「憧れの役は…ドン・カルロと声楽協会の会報に書いた。この歌は22歳で初めて歌った。当時、新国立劇場のオペラ研修所に入所するために、6曲のアリアが必要だった。1曲は必ずモーツァルトを入れなさいと言われた。あと2ヶ国語は歌いなさい。僕はその当時6曲もレパートリーがなかった。すると当時師事していた先生(イタリア人バス歌手のジャンニコラ・ピリウッチ氏)に、「あなたヴェルディ歌えマ~~~~ス、」とヴェルディを歌うように勧められた。えっ!?この年でヴェルディを?「ドン・カルロなら歌えマ~~~~ス」(笑)。その時以来22歳から10年歌っている。

早く全幕で聴きたいですね!

そしていよいよプッチーニに!

プッチーニ「トスカ」より
♪星は光ぬ
E lucevan le stelle

これも彼のおはこですね。NHKの放送でご堪能された方も多いことでしょう。
強靭です!すごいです。途中の伸ばしもすごくてあの舞台がよぎりました。

プッチーニ「蝶々夫人」から
♪さらば愛の家よ
Addio, fiorito asil

これも最高だった~~
ピンカートン!!
すばらしい!

城さんトーク「(歌い終えて)とても大変なプログラムだが、自分はこの方向で行きたい。これも一緒に演奏してくれる仲間がいるおかげです。(村上氏を労う)(こういうところがお人柄ですよね!)皆さんいかがでしたか?(大拍手)

アンコール


レハール「微笑みの国」から
♪君こそわが心のすべて
Dein ist mein ganzes Herz

最後の高音も出す!
熱い!
情熱的な熱さがヨナス・カウフマンに似ている。
彼もこの歌を歌っている。

アンコール


カタリカタリ(コーレングラート)
♪つれない心
Core 'ngrato

最後の高音を強靭に出しました。
まさにアリア・マラソン。
完走(完奏)しました。
お疲れさまでした!!

コンサートから一夜明けて…

今まで城さんに一番近いところで彼を支え続けてきた方から貴重な「証言」をいただきましたので、ご許可を得まして公開させていただきます。

以下引用です。
***

昨年の又吉秀樹の回を聴いて【独演コンサート】は、やりたいように勝手にやっていい会なのか!なんて言っておりましたがσ(^_^;)
 
『今の自分に出来るのもやりたいのもオペラだけ。完全自己責任で組んだ、今後の人生ではどの役も演じていくものだけど、これを一挙に扱う事は2度とない!』そうです。でも、同じ機会があれば、またやってしまう人だと思いますが…

 ○○の立場で見ても確かに飾る事なく、常日頃の姿と何も変わりませんでした。自分で選んだくせに、冒頭から『今日は最後どうなってしまうでしょうか?温かくお見守り下さい』と、らしい発言が沢山。辛い場面がいくつもあって、それなのにその辛い事に嬉しそうにニコニコ笑っていて。そういう人なので、そういう夜で、限界に挑戦!というか格闘家みたいな精神の人です。

 あの場でお聴きになった皆様も、試合観戦したような疲労感があると思います。」

***
引用終わり

すばらしいコメントありがとうございます。本当におっしゃるとおりだと思います。テノールはアスリート、中でも城さんは『格闘家』であるという表現がぴったりです!

たびたび引き合いに出されておりますテノールの又吉秀樹さんは城さんの『ファミリー』と言っても過言ではないくらい、大の仲良しのようです。





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最終更新日  2017年06月08日 20時07分28秒
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