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カテゴリ:OPERA
藤原歌劇団公演「ラ・ボエーム」 2021年1月30日(土)14:00開演(13:00開場) 東京文化会館 大ホール プッチーニ作曲 オペラ全4幕〈字幕付原語(イタリア語)上演〉 総監督 折江忠道 指揮鈴木恵里奈 演出 岩田達宗 1/30 ミミ 伊藤 晴 ロドルフォ 笛田博昭 ムゼッタ オクサーナ・ステパニュック マルチェッロ 須藤慎吾 ショナール 森口賢二 コッリーネ 伊藤貴之 ベノア 豊嶋祐壹 アルチンドロ 東原貞彦 パルピニョール 井出 司 藤原歌劇団合唱部 東京フィルハーモニー交響楽団 【主催】公益財団法人日本オペラ振興会 *** 藤原ボエーム初日 やはり名作 定番中の定番ですが楽しめます。 ミミの伊藤晴さん あっぱれ!すばらしかった。 パワーが炸裂していて ボエームの中ではミミが最もハードだが 気力充実 プリマドンナの風格ありまくりだった。 MimiのFachはリリック・ソプラノです。 ロドルフォ笛田さんも甘く豊穣な美声で酔わせた。 笛田さんのロドルフォ全幕 大田区民ホール(2015年、大田区民オペラ)で聴いた。それ以来だ。きらめく美声。ロドルフォにぴったりの声です。現代にはあまりいない、スケールの大きい歌手。彼の歌を数秒でも、数分でも、生で聴けることが人生の喜びです。 ロドルフォのFachはテノーレ・スピントです。 驚きだったのはマルチェッロの須藤さん。マルチェッロでこんなに細かいキャラクター付けをするとは!もうすごかった。彼のマルチェッロには卑屈なリゴレットが乗り移っているようだった。 爪を噛む。揉み手。 所在なげ。 手をポケットに。 シニカルな笑いと 屈折したユーモアセンス そして赤い靴。 彼の演技は、サイモン・キーンリィサイドなみに進化していた! もう~釘付けだった。 須藤慎吾オリジナルのマルチェッロと言えよう。 声もパワーにあふれていて広い会場に轟かせていた。 マルチェッロのFachはカヴァリエ・バリトンです。 この主役3人がプッチーニに必要なパワーと熱量を展開して満足感あふれる公演だった。 ムゼッタのステパニュクはリリコレッジェーロ ソプラノ(リリック・コロラトゥーラ・ソプラノ)で、ちょっとムゼッタには線が細かったかもという印象でしたがFachはスーブレットも歌うということなのでありなのですね。美女で演技もうまい。 (ムゼッタのFachは、スーブレットもしくはリリック・ソプラノということです。Soubrette, also sung by Lyric Soprano) コッリーネ伊藤さん なんという美声! 柔和で穏やかなキャラを表すお声。外套の歌だけで値千金である。 コッリーネのFachはバッソ・プロフォンドです。 ショナール森口さんももよく気がつく世話焼きのキャラをうまく演じていた。 ショナールのFachは、キャラクター・バリトンです。役に応じた声を出すのです。 若い彼らの躍動する青春を岩田演出はエネルギッシュに描いていた。運動量ハンパない。この演出は数年前にBunkamuraオーチャードホール(2014年11月)で見た。その時はムゼッタが伊藤晴さんでやはりとても印象的だった。 *** 今回のコロナ禍対応演出も昨年8月のコロナ禍カルメンを手掛けた岩田さんの工夫が感じられた。フェイスシールドは2m以内に出演者が近づく場合には必ず着用。つまり1,2,4幕では全員着用していた。3幕だけは2m距離をとれるとのことなのか、フェイスシールドがなかった。 懸案の多くの出演者が登場する2幕のカフェモミュスのシーンはカルメンの時と同じ手法で、後方に段を設け、合唱の大部分はそこの上のみに登場する。前方の出演者は少数に限られる。また少年合唱は録音で処理された。 第1幕 屋根裏部屋 天井に大きな天窓 デフォルメされた大きさ。 かみてにストーブ しもてにイーゼル 部屋は暗く床や壁はダークな色合い 寒さに苦しめられている二人 二人の運動量半端ない ストーブに毒づく 椅子を頭上に振り上げるマルチェッロ Eureka! 自分の原稿を割く 破く音楽は使われておらず 火が燃えるイメージで使っていたか コッリーネも戻ってくる。 Là c'eran baci! キスシーンだな! おどけているマルチェッロ 火が消えてしまう ロドルフォはしもてにしもての方向を向いて立っている。 コッリーネとマルチェッロは何やら相談している Abbasso, abbasso l'autore へぼ作家を下せ~! 大騒ぎ ショナールが戻る。 細身のショナールは三つ揃いのグレーのスーツ姿、一人だけこぎれいなかっこうをしている。 荷物を運ぶ店員や少年は登場しない。 ショナールの森口さんは新国立劇場の粟國さん演出のボエームで毎回ショナールを演じている。 ショナールが歌っているあいだ、彼らはダイニングテーブルを出して各種のパンをテーブルに並べている。 da Socrate morì! 誰が死んだって? ショナールは4人の中ではもっとも現実的な人間か。 パンを取り上げて外出を提案する そこに大家さん Via di qua! e buona sera a Vostra signoria 大家さんを追い出して大笑い 出かける準備。マルチェッロは自分の長い赤いストールを巻き付ける。 コッリーネに長くむさくるしい髭をあたるように言う。 ロドルフォは仕事を終わらせるため暫時残る ノック 女性の声 Che bella bambina! 鍵を探す二人 ロドルフォはミミの手を両手で握る ロドルフォ dolcissimo pp Che gelida manina! Aspetti, signorina, le dirò con due parole chi son この -son-でB(B♭) Chi son? Sono un poeta. Talor dal mio forziere ruban tutti i gioielli due ladri: gli occhi belli. poiché vi ha preso stanza la dolce speranza! 楽譜を見るとここはHigh Cに上げるヴァージョンと上げないヴァージョンが書かれており、上げないヴァージョンの方の歌詞は”la dolce speranza!”なのだが、上げるヴァージョンの方は”la speranza!”である。-spe- においてHigh Cに到達するのである。 今回、笛田さんHigh Cヴァージョンでした。 Mi chiamano Mimì 後半の盛り上げ。すばらしい! 最高音はA O soave fanciulla ロドルフォは自分の青いストールを巻く ミミのオレンジの手編みのショールを拡げて Dammi il braccio, mia piccina. ミミは左手を差し出し膝を折ってあいさつのようにする Obbedisco, signor! 最後の”Amor!” 楽譜通り。MimiはA→High CでロドルフォはF→E 第2幕は休憩を挟まず続けて演じられる。 カルチェラタン さきほども書いたように後方の段の上に合唱。 前方のカフェモミュスも書割に「カフェモミュス」という店名があるのみで 椅子やテーブルはまだない。 前方に物売り ソリストたちがそぞろ歩きをする。 このコロナ禍ヴァージョンのカルチェラタンは、効率的。合唱は残せるし、芝居も打てる。 人がごちゃごちゃしていないのでどこにソリストがいるかもわかりやすい。 ラッパを買おうとするショナール マルチェッロはなぜか大きな台の上によじ登り叫ぶ。 Chi vuol, donnine allegre, un po' d'amor! Facciamo insieme a vendere e a comprar! これを見て思った。今日のマルチェッロの演技は定番とは一味違う… マルチェッロは恋人を失い、自暴自棄になっている。 ムゼッタの行動を唾棄しているものの、自分の熱い思いが抑えられない。 シニカルな人を斜めに見るような目線。 本を買おうとするコッリーネ ミミにボンネットを買うロドルフォ 他の3人が椅子を持ってきてセットする中 ロドルフォはミミの目線にすでに嫉妬の炎を燃やしている Ecco i giocattoli di Parpignol! カフェにたどりついたロドルフォは仲間にミミを紹介する。 3人は2人の周りをぐるぐる回って品定めする。 Ecco i giocattoli di Parpignol! パルピニョールは井出司さん。 児童合唱はテープということ。 ソロの児童の声 Vo' la tromba, il cavallin! 一同(パルピニョールとママたち役の女声合唱)はそでに向けて走って出ていく。 ミミが注文する。 5人のテーブルは一つではなく横に並べられ、相対しないようになっている。コロナ禍仕様だ。 ショナール E gran sfarzo. C'è una dama! 女性同伴なんで豪勢に頼むよ! ミミ このボンネットを買っていただいたの。 ショナール さすが色男。 マルチェッロ O bella età d'inganni e d'utopie! 甘い愛の喜びに浸る二人。おもしろくないマルチェッロは皮肉をかます マルチェッロ 甘くもあり苦くもなるというわけさ。 一同 乾杯だ! つんざく下品な笑い声。 ムゼッタとアルチンドロはしもての花道から登場したかと思う。 ムゼッタは真っ赤なドレス。 アルチンドロは多くの買い物の箱を抱えて追いかけている。 彼らはマルチェッロらのテーブルのしもてがわに陣取る。 マルチェッロ Il suo nome è Musetta; cognome: Tentazione! マルチェッロの不機嫌の原因の主が登場した。 アルチンドロ 静かにしたまえ! ムゼッタ Voglio fare il mio piacere うるさいわね。好きなようにさせてよ! ムゼッタは立ち上がり皿を大きくかざすと床にたたきつけて割る コッリーネ La commedia è stupenda! 面白い見世物だな。 ロドルフォ Sappi per tuo governo che non darei perdono in sempiterno あんなことしたら絶交だよ! ミミ 愛しているのにどうしてそんなこと言うのよ。 Quando men vo 通称ムゼッタのワルツ Quando men voの最高音はh 俺を椅子に縛ってくれ! マルチェッロはかみての方に逃げていて コッリーネは赤いマフラーでほんとにぐるぐる巻きにする。 ここの重唱、ミミもからんできてすばらしいです。 ムゼッタ Marcello smania マルチェロったらやきもきしてるようね。 重唱 ムゼッタはステージ中央で叫ぶ きゃあああああっ! どうした! 痛いの。 どこが? 足よ。 スカートをめくったりしない。 なるほど。スカートをめくる音楽をPucciniが書いているのに。 あまりにも下品だから? 男たちが彼女の靴を脱がせようと殺到する。 この靴はキーファクター。 赤い紐靴であまりにもきゃしゃで美しい。特注でしょうか。 いわゆる映画「赤い靴」の”悪魔の靴”をほうふつとさせるイメージを演出家は盛り込んでいる⁉ (余談だがBourne版の「赤い靴」が早く見たいです!!) おもしろい結び付けです。さすが岩田さん。 Gioventù mia, tu non sei morta マルチェッロはついに意地を張るのをやめる。 だってムゼッタの行動はわかりやすくて可愛らしすぎる。 Sirena! 妖魔め! 抱き合う二人。 重唱 マルチェッロはムゼッタに元通り靴をはかせる。 紐靴なので時間がかかる。 コッリーネ Siamo all'ultima scena! やっと終わったぜ 鼓笛隊の登場はなく、 しもての花道からずらかる一同。 手前の民衆たちが彼らに手を振っている。 アルチンドロは小さい靴が入った小箱を掲げて戻ってくる。 アルチンドロは元の席で勘定書きを見てびっくり仰天する。ストップモーション。 第2幕了、1回目の休憩 第3幕 アンフェール門 卵売りの女性たち ミミが来る。 門番に聞く 店から出てきた女に伝言を頼む 女は最初は取り合わないが ミミの真剣な懇願に負ける マルチェッロが出てくる。 ミミ! Rodolfo m'ama マルチェッロはミミが語る交際相手の愚痴、痴話げんかの話を聞いているが実は退屈している。寒いので手を擦り合わせている。目線はムゼッタがいる酒場に投げて見たり所在なさげの演技。マルチェッロでここまで細かい演技付けは見たことがありません! Quando s'è come voi non si vive in compagnia そうなったらもう一緒にはいられないよ 咳き込むミミ 彼には会いたくないの じゃ帰ってくれ、騒ぎは困るよ ロドルフォが出てくる。 ミミはしもてにある雪の積もった何かの残骸に隠れる オレ、別れるよ Tu sei geloso Collerico, lunatico, imbevuto di pregiudizi, noioso, cocciuto! マルチェッロの矢継ぎ早の非難に頭に来たロドルフォ。マルチェッロの襟首をつかむ。 そう、そうなんだ あいつはもうだめなんだ ロドルフォ Una terribil tosse l'esil petto le scuote di sangue ha rosse ロドルフォ、”sangue ha” でB(B♭) あいつが死ぬのは僕のせいなんだ Mimì di serra è fiore O mia vita! ミミが咳き込んでいるのがばれてしまう ミミ! 僕は心配性だから 店に入ろう あそこは嫌! ムゼッタの嬌声。 マルチェッロは戻っていく ミミ Addio 別れましょう ロドルフォ えっ!? ミミ D'onde lieta uscì al tuo grido d'amore すばらしい! ミミの”D'onde lieta uscì al tuo grido d'amore”の最高音はB(B♭) ロドルフォ Dunque è proprio finita? 二重唱”Dunque è proprio finita?”の最高音はミミ、ロドルフォ同じで ”Mentre a primavera c'è compagno il sol!”の”Mentre”のB(B♭) かみてでマルチェッロとムゼッタが罵り合いを始める 重唱部分でミミ、ロドルフォ、ムゼッタ、同時のB(B♭)あり。 ムゼッタ che la fanno da mariti 夫気取りでバカじゃないの? Pittore da bottega! へっぽこ絵描きがさ。 マルチェッロ、頭にきて立ち去ろうとするが Vipera ! 蛇女! ムゼッタ Rospo ! 蛙野郎! マルチェッロ Strega ! 魔女! 憎しみのこもった言葉に思わずムゼッタは顔を覆う。 泣いているのか。 マルチェッロは赤い靴を取り出して嫌味にぶら下げてみせると下に落とす。 お前なんかもうこりごり、という意思表示か。 マルチェッロは出ていく。 ミミとロドルフォは寄り添っている ”Ci lasceremo alla stagion dei fior”で ミミ、ロドルフォ、同時のB(B♭)あり。 2人は出ていく ムゼッタは一人残され、赤い靴を抱きしめて見上げる。 雪だ。やんでいた雪がまた降り始めた。 第3幕了 休憩 第4幕 屋根裏部屋 ロドルフォとマルチェッロの二重唱 O Mimì tu più non torni すばらしい! 終わって拍手入れた。 ショナールとコッリーネが帰ってきて戦利品を出す ニシンとパン 4人は大騒ぎになり パンをちぎって投げつけるロドルフォ ダンス ムゼッタ ロドルフォがミミを連れに行く 椅子に寝かせる 丁寧に布団をかけるショナール しもてでマルチェッロとムゼッタ ロドルフォのところで死にたいって! しっ 何もないの? ない 皆さんこんにちは ロドルフォ Non parlar, non parlar 話さなくていいよ ムゼッタとマルチェッロが薬などを買うために出ていく。 コッリーネ 外套の歌 Vecchia zimarra, senti すばらしい! ショナールも水のびんを持って?出ていく。 音楽盛り上がる しもてで泣いているロドルフォ ミミが目を開けて起き上がる ロドルフォが振り向くと ミミが両手を広げている ロドルフォはミミに駆け寄り、抱き合う。 涙…涙のシーン 思い出話に花を咲かせる 咳き込むミミ ショナールが飛び込んでくる ムゼッタとマルチェッロが戻ってくる マルチェッロは薬をいぶすためにアルコールランプをセットする ムゼッタはマフをミミの腕にはめる ミミ (ロドルフォに)あなたが? ムゼッタ そうよ ミミ うれしいけど高いんでしょ… ロドルフォは耐えきれず泣き出す。 ミミ どうして泣くの 眠いわ… ミミはこときれる。 左手がだらんと落ちる。 ショナールはマフの中に戻そうとするができないので死んでいるのに気づく。 ショナール マルチェッロ、亡くなってる! ショナールはかみてでへたりこんだまま動かない。 マルチェッロがそのへんを落ち着かなく動き回る その様子にロドルフォがいらつく ロドルフォ なんだ、どうしておれをじろじろ見るんだ! マルチェッロはロドルフォに抱きつく マルチェッロ こらえるんだ ロドルフォはミミが死んでいるのに気づく ロドルフォ Mimì. Mimì! ショナールとコッリーネは動かない ムゼッタはマルチェッロに抱きつく 暗転 全幕了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年01月31日 12時42分29秒
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