夜クラシック in 東京文化会館<第2回>
2022年2月17日(木)19:00開演(18:15開場)
東京文化会館 小ホール
ピアノ:山田武彦
チェロ:笹沼樹
ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』より 「月の光」
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69
サン=サーンス:『動物の謝肉祭』より「白鳥」
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007より「プレリュード」
ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
チケット 指定1,500円
***
チェリストに夢中になるのはマリオ・ブルネロ以来。ブルネロはルツェルン祝祭オケの来日ツアーでブラームスのコンチェルトでチェロのソロを演奏した。めっちゃセクシービーム発しまくりなソリストだったのです。
本日は注目のチェリスト笹沼樹さんのリサイタル。現在27歳と思われます。使用楽器は、1771年製 カルロ・フェルディナンド・ランドルフィ(宗次コレクション)。ご身長は185cm以上ありそうです。
彼をお聴きするのは3回目です。1回目は「作曲家キーシンの肖像」。これはと思って、注目し、2回目は「虫めづる姫君」。チェロは常に下支えの演奏をさせられてしまうので、アーティストの本質を知るにはやはりソロ演奏を聴かないといけません。それでマジックのように今日上野で行われた本日のリサイタルを聴けました。本当にすばらしかったです。
盛りだくさんで音楽レヴェルが高度なリサイタル。曲目が有名曲オンパレードだったので危惧したが中身が高度な音楽レヴェル。それはやはり山田武彦さんのおかげか。
ドビュッシー:『ベルガマスク組曲』より 「月の光」
この曲は山田武彦さんの「夜クラシック」のテーマ曲なのだそうです。
ピアノだけかと思っていたらしっかりチェロがメロディラインを弾いているからびっくり。
これ有名曲で素人でも弾ける曲なのですがやはり山田武彦さんはすごかった!ピアノのタッチがすごい!スタインウェイなんですが絶妙なペダリングと音量。山田武彦さんすごい!
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ
これも意外な選曲だなーと思っていたら、笹沼さんの選曲らしいですね。けっこうお茶目な方なのかしらと思います。
(トークはメモをもとに記述)
笹沼「ヴァイオリンのための小品ですが、チェロの音域で演奏するのもいい。」
笹沼さんは演奏しながら勢いを付けるように足をばたばたさせます。手の動きもダイナミックに弦を振り上げたりして手と足、全身で踊っているようです。とても可愛いです。
サン=サーンス:『動物の謝肉祭』より「白鳥」
有名曲ですがやはりレヴェルが高かった。すばらしいチェロの音色、名器の本領発揮です。深くレガートな酔わせる音色です。そしてピアノのタッチがやはりすばらしい!
ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
チェリストがチェロのために書いた作品とのこと。超絶技巧炸裂ですごかったです。驚異の速弾き。
笹沼「チェリストの曲は要求が多くて困りますねー(余裕の笑み)」
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007より「プレリュード」
(チェロ独奏)
笹沼「Bachの作品はチェリストにとっては『聖書』のようなものです。組曲は、36曲 プレリュード 無伴奏 などあり、その色彩感が全部異なるのを全部取り込むのが、チェリストにとっては『壁』。」「ラインを??て何人もの歌手が歌っているようなものを再現する。」
有名曲
すばらしい~!
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番 前奏曲とフーガBMV867
(ピアノ独奏)
Bach先生!という曲。
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69
Beethoven:Sonata No.3 in A Major for Violoncello and Piano, op.69 (1808)
I. Allegro ma non tanto
II. Scherzo. Allegro molto-Trio
III. Adagio cantabile - Allegro vivace
まじでピアノが相当すごいです。チェロとピアノの掛け合いのような曲でもう!
山田武彦さんのピアノは光の玉が転がり落ちてくるような音です。
Encore:
クライスラー:ロスマリン
Fritz Kreisler _"Schön Rosmarin"
ヴァイオリンの超有名曲。これをチェロでやっちゃう?笹沼さん、まるでヴァイオリンのように高音部で速弾きします。もうチェロじゃねえ~これは!すごいな。山田さんも苦笑いするほど。笹沼さんの独創性と超絶さがわかる演奏でした。
お疲れ様でした。