上野 de クラシック Vol.90 井出壮志朗(バリトン)
東京音楽コンクール入賞者によるクラシックコンサート
2024年1月24日(水)11:00~12:00(10:30開場)
東京文化会館 小ホール
バリトン:井出壮志朗 *第17回東京音楽コンクール声楽部門第3位
ピアノ:清水綾
ラヴェル:『ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ』
グノー:オペラ『ファウスト』より 「この土地を去る前に」
マスネ:オペラ『タイス』より 「瞑想曲」(ピアノ・ソロ)
大中恩:しぐれに寄する抒情
中田喜直:木兎
プッチーニ:
オペラ『外套』より 「誰もいない、静かだ」
オペラ『ジャンニ・スキッキ』より 「早く公証人を」
***
類稀なる美声バリトンの井出さんのリサイタル
やっぱり美声だった〜
彼はカヴァリエ・バリトン
重く轟く優美な低音が魅力
肺活量も半端なく、長く伸ばす音も見事です。
曲目は絶賛、自分選曲らしいが
結構通好みのラインナップ💦
堪能させていただきました。
彼はトークも魅力で
もう〜話し出すと止まらないんだこれが
歌うの大丈夫なのかな?とも思うけど、歌は使う部分が違うのか全く問題なさげだったw
***
ラヴェル:『ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ』
Don Quichotte à Dulcinée
1 空想的な歌 Chanson Romanesque
2 英雄的な歌 Chanson épique
3 酒の歌 Chanson à boire
井出氏トーク(メモを元に概要を記述)「(上記の曲を)シエピが歌っているのを聴いて、僕はラヴェルとかマスネを歌うようになった。」「そもそもラヴェルの『ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ』はシャリアピンが出演した映画のために書かれたものなんです。」
「こんな軽い感じでしゃべっちゃってすいません。(歌のように重くしゃべると)歌えなくなっちゃうので…」
「たまたまなんですが…今週の土日にここ東京文化会館大ホールでグノーのオペラ『ファウスト』を上演する。ボクもヴァランタン役で出演する。」
グノー:オペラ『ファウスト』より 「この土地を去る前に」
Gounod:Faust
Avant de quitter ces lieux - No. 4, Recitative and Cavatina
from Act II of Faust by Charles-François Gounod
Valentin Fach : lyric baritone
Range : C3 to G4
すばらしい~奔流のようなレガート
しかも最後はG!
彼の美声がぴったりのアリア
以前ロイヤル来日公演でドゥグーが神奈川県民ホールで歌うのを聴いたがまったく満足できなかった。このアリアはレガートの連続なのでパワーが必要なのだ。
井出壮志朗「リズムと横に流れる感じ、味わっていただけましたか?」
マスネ:オペラ『タイス』より 「瞑想曲」(ピアノ・ソロ)
ピアノ:清水綾
井出壮志朗「大好きな曲です。僕は『サムソンとデリラ』の有名な二重唱も大好きです。メゾソプラノだったら歌いたい。あとテノールのあれが歌いたいですね、Recitar! (と歌う)(レオンカヴァッロ『道化師』のカニオのVesti la giubba!)」
「日本歌曲は二曲ともコンクールで歌った曲です。」
…話し出すと止まらないバリトン…
井出壮志朗「(ドイツ語の歌曲について)日本語とフランス語の歌曲はどこか似ている。情景が浮かんでくる。」「みみずくは歌っててつらくならない。さきほどのヴァランタンはほんと減ります」…話が止まらない…「ヴァランタンのアリアはカプッチッッリが当時イタリア語で歌っていて云々…」「やっぱり大変なアリアなんだなーと。話し戻します。」
大中恩:しぐれに寄する抒情
中田喜直:木兎
すばらしい!ほんと美声!
井出壮志朗「プッチーニはバリトン主役ってあまりないんですけど、次のプッチーニの三部作は珍しく二作品もバリトンが主役。外套とジャンニ・スキッキ。二つとも終わり方が同じ(メロディ)なんですね。(歌う)」「娘が小さい頃、この「外套」のアリアを歌っていたら泣かれて困りました。」「プッチーニは映画音楽もミュージカルも書きたかったのに、書いたら全部オペラになっちゃうんですね…」
プッチーニ:
オペラ『外套』より 「誰もいない、静かだ」
"Nulla! Silenzio!" Il Tabarro
Michele Fach : dramatic baritone Dramatic Baritone (aka Heldenbariton)
dammi la morte!のmorte!で最高音G(スコアで確認)
参考リンク…
"Nulla! Silenzio!" Il Tabarro - Ettore Bastianini (Pure dramatic baritone! with score!)
オペラ『ジャンニ・スキッキ』より 「早く公証人を」
Si corre dal notaio" ~ In testa la capellina
buffo aria from the one-act Italian opera, Gianni Schicchi by Giacomo Puccini
Range : B3 to G4
Gianni Schicchi
Fach : lyric baritone
Charakterbariton (aka Verdi bariton)
lower tessitura with range to G5, stronger and fuller voice
最高音G
スキッキは芝居がかって演じる。
Encore:
1 Lara: Granada
アンコールなどでテノールが歌うことが多い曲。テノールよりキーは下げているのでしょうか?最高音はG?
2 The Impossible Dream (Man of La Mancha)
やっぱり高音のレガートが効く。とてもよかったです!
最高音はG?