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カテゴリ:OPERA
Photo Album Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist NEW NATIONAL THEATRE, TOKYO Tristan und Isolde / Richard Wagner Conductor: ONO Kazushi Production: David McVICAR Set and Costume Design: Robert JONES Lighting Design: Paule CONSTABLE Choreographer: Andrew GEORGE Tristan: Zoltán Nyári König Marke: Wilhelm Schwinghammer Isolde: Liene Kinča Kurwenal: Egils SILINS Melot: AKITANI Naoyuki Brangäne: FUJIMURA Mihoko Ein Hirt: AOCHI Hideyuki Ein Steuermann: KOMADA Toshiaki Stimme eines jungen Seemanns: MURAKAMI Kota Chorus: New National Theatre Chorus Orchestra: Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra NNTT2023/2024シーズンリヒャルト・ワーグナートリスタンとイゾルデ 全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉 Day2 2024年3月17日(日)14:00 新国立劇場 オペラパレス 指揮】大野和士 演出】デイヴィッド・マクヴィカー 美術・衣裳】ロバート・ジョーンズ 照明】ポール・コンスタブル 振付】アンドリュー・ジョージ トリスタン】ゾルターン・ニャリ(トルステン・ケールの代役) マルケ王】ヴィルヘルム・シュヴィングハマー イゾルデ】リエネ・キンチャ(エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役) クルヴェナール】エギルス・シリンス メロート】秋谷直之 ブランゲーネ】藤村実穂子 牧童】青地英幸 舵取り】駒田敏章 若い船乗りの声】村上公太ほか 新国立劇場合唱団 東京都交響楽団 予定上演時間:約5時間45分(休憩含む) *** 大野さんの入魂トリスタンすばらしかったです。 コンマス矢部達哉さん! すったもんだの騒動後のキャストだったが、 いろいろ新鮮でした。 ウエストブルックの代役キンチャはまさにワグネリアン・ソプラノと言えるパワー。演技はこれからといった感じだがあのパワフルさはすごい。ブリュンヒルデも歌えそうな猛女の片鱗を見せた。 ケールの代役トリスタン、ゾルターン・ニャリは予想どおりの超演技派。とにかく芝居がすごくて釘付けでした。お声は甘くリリックな声でリリコ・スピント。トリスタンの重い声ではないが、大健闘。2幕はオケを鳴らす部分は多少、厳しかったけど、3幕の一番スピントが必要なパートもあの演技力には説得力があり脱帽だった。お手振りと微笑に泣けた!ケールの直前降板で危機に瀕した新国立劇場を救ってくれた彼に感謝したい。大野さんの都響もリリックなトリスタンに寄り添っていてそれがはまっていましたよ。 クルヴェナルはおなじみシリンズ。声はまさにヘルデン・バリトンと言える重く巨大な声。実年齢も壮年のクルヴェナルにピッタリで無骨な武人の感じがよく出ていました。 マルケはシュヴィングハマー、大喝采を浴びていた。実際は若いのだが老け造。豊かで美しいすばらしい声でした。 ブランゲーネも盤石の藤村さん。美しい声。キンチャがものすごいパワーなので藤村さんの声が可憐に聴こえた。 メロート秋谷さんすごいパワー。 日本人歌手は皆声がある人ばかりですばらしかったです。 演出はとても良かったです。もちろん10年前に見ているのですが、今回色々わかった。 全編通して「夜」で「月」が出ていて「海」か海辺。 イゾルデの服は白→黒→赤とチェンジ *** FACH Tristan Fach : dramatic tenor/heldentenor/tenore di forza/robusto Arias : Dünkt dich das?, Mein Kurwenal, du trauter Freund, Wie sie selig Isolde Fach : dramatic soprano/Wagnerian Soprano (aka Hochdramatische Sopran) Arias : Wie lachend sie, Liebestod (Mild und leise) Kurwenal Fach : dramatic baritone Arias : Das sage sie Marke Fach : Heavy Bass (aka Seriöser Bass) /Dramatischer seriöser Bass monologue: Tatest du's wirklich? Brangäne : soprano Einsam wachend in der Nacht (Brangäne's Warning) Melot : tenor or Baritone A Shepherd : tenor A Helmsman : baritone A Young Sailor : tenor *** ※演出の中味についてふれますのでご注意ください。 Vorspiel 巨大な月があがる。白い月。しかしこの月はイゾルデが登場すると真っ赤な血が滴るような月に変化する 遠くの方からまるで難破船のような骸骨のような姿の船が舳先を奥に向けてやってくる。船にはひとり身じろぎもせず一人の女が座っている。イゾルデ。 1幕 水夫の声、美しくパワフルで超ゆっくり。村上公太さん。 Weh, ach wehe, mein Kind! イゾルデの怒り Mir erkoren, Furcht der Herrin ich, Isolde! ブランゲーネは伝えに行く 第2場 船べりに勢ぞろいするイスラムの奴隷のような上半身裸の男たち。 気をつけてください イゾルデの侍女が来ます トリスタン: Was ist? - Isolde? なに、イゾルデだって!? 登場シーン トリスタン、ヒロイックな声。お声は、誰に近いかというと、クリストファー・ヴェントリス。 見かけはブラウンのロン毛にひげで思索的で、武人というよりは、まるでイエス・キリストのようだ。強い声をキープし続ける第1幕。この後の彼の声の変化に注目だ。 ブランゲーネは手下たちに衣服の裾をひっぱられ、からかわれる。 Wo dort die grünen Fluren ついにブランゲーネは姫の言葉をそのまま伝えてしまう。 Furcht der Herrin sie, Isolde. クルヴェナルは気色ばんで 私がお応えします。 Das sage sie クルヴェナル Range:A2 - F4 クルヴェナル、ものすごいパワー!雷のように轟くヘルデンバリトン。粗野な男。 Ein Herr der Welt Tristan der Held! Sein Haupt doch hängt im Irenland, als Zins gezahlt von Engeland: クルヴェナルの愚弄の歌はすべて舳先で待つイゾルデの耳に入っていた。 イゾルデ: Wie lachend sie Range: C4 - B5 怒りのイゾルデはブランゲーネにトリスタンの正体を明かす。 小舟で流れ着いた瀕死のけが人、タントリスと名乗ったあの男がトリスタンと同一人物と聞き驚愕の表情を浮かべるブランゲーネ。 ブランゲーネ: Da Friede, Sühn' und Freundschaft イゾルデは茶化すように歌う マルケにこう言ったのよ イゾルデ: Das wär ein Schatz, mein Herr und Ohm 叔父上、あの女は掘り出し物です。 イゾルデ: Tod uns beiden! もう二人とも死ぬしかないわ ブランゲーネ: Welcher Wahn 何て世迷い事をおっしゃるのですか。 必死にイゾルデをなだめようとするブランゲーネ。 イゾルデ: Ungeminnt den hehrsten Mann 高貴なあの方にしかとされるのは耐えられないわ ブランゲーネ: あなたさまを愛さずにいられる殿方がおりましょうか! もしまんがいち心が離れても、私には秘薬があります。 イゾルデ: Der Trank ist's, der mir taugt! しかしイゾルデが目をつけたのは死の薬、毒薬だった。 驚愕するブランゲーネ 水夫の声 クルヴェナルがやってくる クルヴェナル: Auf! Auf! Ihr Frauen! ご婦人方、下船のご用意を! クルヴェナル: Vom Mast der Freude Flagge 祝いの旗をマストにはためかせ イゾルデははねつける。 イゾルデ: nicht werd' ich zur Seit' ihm gehen, vor König Marke zu stehen あいつの言いなりでマルケ王にもうでるなんて まっぴらごめんだわ クルヴェナルは退出する。 イゾルデはブランゲーネに別れを告げる 毒薬を用意するよう命じるイゾルデ イゾルデ: Für tiefstes Weh, für höchstes Leid gab sie den Todestrank. Der Tod nun sag ihr Dank! この上なき苦しみにはこの死の薬をと母様がくださったの。 お母様に死んでからお礼申し上げますわ。 クルヴェナルが告げる。 クルヴェナル: Herr Tristan! トリスタン様のおなり! イゾルデ: Herr Tristan trete nah! ちこうに寄るがよいぞ、トリスタン殿。 トリスタンが来る。 剣を携えている 第5場 トリスタン: Begehrt, Herrin, was Ihr wünscht. 姫様、伺候いたしました。 トリスタンは剣を船べりに置く。 顔も出さないとはどういう作法をご存じですの? そういう作法ですので 怖いの? 作法ですから。知らんけど まだみそぎがすんでないのよ 復讐ですか イゾルデがタントリスと名乗って傷の治療に来た男の話をし始める イゾルデ: Da die Männer sich all ihm vertragen, wer muss nun Tristan schlagen? 国同士が和解してしまったらいったい誰がトリスタンを討ち取るっていうの? トリスタン: War Morold dir so wert nun wieder nimm das Schwert und führ es sicher und fest そんなにモロルトがあなたにとって大切な存在だったのなら 今ここで私を討ち取ってください 剣を落としたりせずに! イゾルデに剣を握らせ トリスタンは剣の切っ先を自分の胸に向ける しかしイゾルデは躊躇する。 あら、わたしがマルケの忠実な部下を殺してしまったら王様のご不興を買いますわ。 かつて復讐しようとした時、目が合ったその時、あなたは私を貢物として差し出すために見つめていただけだったのよね それなのに復讐をしなかった私。(なんて馬鹿なの) イゾルデはガランと音を立てて剣を落とす 水兵たちの声。 トリスタンは応えるように叫ぶ どこまで来た? イゾルデ: 叔父上に口上するのよね Mein Herr und Ohm, sieh die dir an 叔父上あの女はこういう女なんです トリスタン: Wohl kenn' ich Irlands Königin Tristans Ehre ---höchste Treu'! Tristans Elend ---kühnster Trotz! トリスタンの栄誉は最高の忠義 トリスタンの悲劇は大胆過ぎる裏切り イゾルデが毒薬が入った盃を差し出している トリスタンは受け取り飲む イゾルデが奪い、やはり飲む 二人の表情が凍り付く。 トリスタン: Isolde! 急にトリスタンの声が優しい、心に傷をつけられたような脆弱さを表す哀切な響きに代わる。ゾルタンの演技力に舌を巻く瞬間だ。 二人は近づき、お互いに手を伸ばす、 そして激しく愛し合う。 ブランゲーネは自分のしでかしたことを見る 永遠の苦しみを与えてしまった… ブランゲーネは二人に割って入る クルヴェナールもわけがわからない 誰が来たって? 王様です! どこの? トリスタン: O Wonne voller Tücke! O truggeweihtes Glücke! おお、欺瞞に満ちた喜びよ! ああ、至福の幸福よ! 2幕 しもて方向、斜め手前に向かって伸びる船着き場のような堤防。真ん中に灯台がある。かみて側は浅瀬の浜辺になっている。 ホルン 狩りの角笛 これが!歌詞の内容に合わせるようにホルンがそのまま別の楽器の?(海の)水のさざなみの音に代わっていく。これはマジックか?大野マジックきました! イゾルデ。 イゾルデ: des Quelles sanft rieselnde Welle rauscht so wonnig daher 狩りの角笛ではないわ。波が優しく打ち寄せているのよ。 ブランゲーネはメーロトのたくらみを感じ取っていて忠告する。 ブランゲーネ: vor Melot seid gewarnt! メーロト様にはお気をつけあそばせ。 イゾルデ: まあ勘違いも甚だしいわ。 メーロト様は彼の大親友なのよ。 ブランゲーネ: きょうの急な日程変更の夜狩りだってどこかあやしいわ イゾルデ: Lass meinen Liebsten ein! 早く私の彼を呼びよせさせて ブランゲーネ: mein Werk, muss ich Schuld'ge es wissen? 私ったらひどいことをしてしまったのね。 イゾルデ: Des kühnsten Mutes Königin? おまえのせいじゃないわ。愛の女神のなせる業なのよ。 イゾルデ: Wie sie es wendet, wie sie es endet, was sie mir küre, wohin mich führe, ihr ward ich zu eigen: num lass mich Gehorsam zeigen! もうどうなってもいいの。 私は愛の女神の言いなりなの。 イゾルデはブランゲーネの制止も聞かず灯りを消してしまう 逢引の合図。 がっくり肩を落とし出て行くブランゲーネ。 トリスタンが早足でやってくる。 (トリスタンが馬を駆ってやってくる。) も~音楽打って変わってめちゃ速~~~ トリスタン: Isolde! Geliebte! 愛するイゾルデ! イゾルデ: Mein! Tristan mein! トリスタン: Mein! Isolde mein! トリスタン: Das Licht! Das Licht! トリスタン: Dem Tage! Dem Tage! トリスタンとイゾルデの二重唱のシーンは慣例のカット。 トリスタン: Durch des Todes Tor, wo er mir floss, あの盃を呷って、死の扉をくぐって トリスタン: O, nun waren wir Nacht-Geweihte! 僕らは夜にだけ生きているんだ。 トリスタンはイゾルデの手を引いて、堤防の上に続く階段に誘導する。 聴かせどころがきました。 二人: O sink hernieder, Nacht der Liebe 愛の夜に溺れよう all Gedenken all Gemahnen heil'ger Dämm'rung hehres Ahnen löscht des Wähnens Graus welterlösend aus すべての観念が消えて世界が消え去っていく イゾルデ: Barg im Busen uns sich die Sonne, leuchten lachend Sterne der Wonne 陽が沈めば星空の下で歓喜し笑いあうのよ ブランゲーネ: Einsam wachend in der Nacht 夜の見張り Habet acht! Bald entweicht die Nacht 気をつけて! もう夜明けですよ! 高音での震えない長いレガートが必要な屈指の難所。 ブランゲーネの忠告も裏切りの愛で得られる絶頂の幸せの中で愛し合う二人には届かない トリスタン: Lass mich sterben! 死なせてくれ トリスタン: Unsre Liebe? Tristans Liebe? トリスタン: So stürben wir, um ungetrennt,ewig einig ohne End' 二人で死んでしまおう。永遠に離れることができないよう。 再びブランゲーネが忠告する。 ブランゲーネ: 注意してください もう朝ですわ O ew'ge Nacht, süsse Nacht! Hehr erhabne Liebesnacht! 永遠の甘き夜、最高に気高き愛の夜よ 愛の絶頂で 現場に踏み込まれる 第3場 絶叫。 とっさにかばうように抱き合う二人。 クルヴェナルが駆けこんでくる。 トリスタン様、お逃げください! 奴隷のような服装をしたマルケの僕たち。どこの国だよ?彼らがひざまずく。マルケ王が登場する。老人。70ぐらいの設定?足元もおぼつかない。 メーロト: Namen und Ehr' hab' ich getreu vor Schande dir bewahrt 私めは閣下の栄光を恥辱にまみれさせないよう勤めをを果たしましてございます マルケ: Tatest du's wirklich? なんだと?本当にそうだと思ってるのか? すばらしい!!艶やかな美声と低音に魅せられる。マルケの独白は終わりそうで終わらない、長くてスローテンポの低音なので、下手な歌手だったら耐えられないほどなのだが、シュヴィングハマーの美声には酔いしれてあっという間だ。 手下は皆見聞きしないよう後ろを向いている。 トリスタンは直立し、目をそらさず、まっすぐにマルケを見ている。 meiner Ehren Ende erreiche? わしの名誉はついえた Die kein Himmel erlöst, 神も救うこと能わぬ warum mir diese Hölle? 地獄の苦しみ Die kein Elend sühnt, warum mir diese Schmach? Den unerforschlich tief geheimnisvollen Grund, wer macht der Welt ihn kund? どうしてわしにこのような恥辱を与えるのだ 誰がその謎を解いてくれるのだ 王はバッタリ階段で倒れる。左手を差し上げ、メーロトが助け起こす。しかし王が階段を上り切ったら王は憎しみを込めてメーロトを思いきり突き飛ばす。驚きながらも侮辱を受けた苦しみを隠し、ひざまずくメロート。 トリスタン: O König, das kann ich dir nicht sagen 王よ、私はその問いには答えることができません イゾルデに トリスタン: Wohin nun Tristan scheidet, willst du, Isold', ihm folgen? 私がどこへ向かったにせよ、あなたはついてきてくれますね? それは夜の国 私をこの世に送り出した死んだ母の国 イゾルデ: Wo Tristans Haus und Heim, da kehr' Isolde ein: auf dem sie folge treu und hold, den Weg nun zeig Isold'! トリスタン様の故郷の家にイゾルデも参ります。忠実についてまいります。どうぞご案内ください。 トリスタン: Wehr dich, Melot! メロート、覚悟! 立ち回り。トリスタンは王の手下を何人か切り捨てるがメロートに向かい合うと…! (割愛) 3幕 相変わらずの夜 海の稜線が赤く二重に輝いている。 寄せては返す波(の音楽) 断崖絶壁がしもてにあり、かみてで臥せっているトリスタン。そばにいるクルヴェナル。 牧童のもの悲しいシャルマイが聴こえる 牧童が急な岩場を下りてくる 牧童: Kurwenal! He! ねえ!クルヴェナル どうしたの? クルヴェナル: 殿が目覚めたらその時がお陀仏の時かもな あの女医しか頼みはないんだ 牧童: 船が来たらさ、とびっきり楽しい笛を吹くよ! でもさ~殿様は大丈夫なのかい? 詮索してくる牧童に語気を強めるクルヴェナル。 クルヴェナル: Lass die Frage おまえ、うるせえんだよ! クルヴェナル: 見張っててくれ 牧童: 海は荒れてて何も見えないよ 目覚めたトリスタン Die alte Weise meinem Tristan neu gegeben! ここはあなた様のお国です! Tristan, mein Held, hehr ertrotzt! コーンウォールにいるのか? そうじゃなくて、カレオールですよ クルヴェナル: Nun bist du daheim, daheim zu Land: im echten Land, im Heimatland; auf eigner Weid' und Wonne, im Schein der alten Sonne, darin von Tod und Wunden du selig sollst gesunden 忠義なクルヴェナルに涙です! トリスタン: Dünkt dich das? Range: D3 - G#/Ab4 お前はそう思うのか? Ich war, wo ich von je gewesen, wohin auf je ich geh 私は旅立つ göttlich ew'ges Ur-Vergessen その国は、忘却の国 Isolde noch im Reich der Sonne! イゾルデはまだ「昼の国」にいるのだ あなたが恋しい あなたに会いたい sie zu suchen, sie zu sehen; sie zu finden, in der einzig zu vergehen Verfluchter Tag mit deinem Schein! Wann endlich, wann, ach wann löschest du die Zünde, dass sie mein Glück mir künde? Das Licht --- wann löscht es aus? いつになったらあの灯りは消えるのか? 私に幸せが訪れるのか? クルヴェナルはイゾルデを呼び寄せたことを語る Isolde kommt! イゾルデが来る! トリスタン: Mein Kurwenal, du trauter Freund Range: D3 - A4 Es naht! Es naht mit mutiger Hast! Sie weht, sie weht --- die Flagge am Mast. Das Schiff! Das Schiff! Dort streicht es am Riff! Siehst du es nicht? Heftig. Kurwenal, siehst du es nicht? 船が近づいてきた マストに旗が翻っている お前には見えないのか? クルヴェナル: 船はまだです。 哀しい響きのシャルマイの音 あの音色だ Sehnen! Sehnen! Im Sterben mich zu sehnen, vor Sehnsucht nicht zu sterben! 憧れているのだ 死ぬほど憧れている 死なないための憧れではない Der furchtbare Trank! あの呪わしき盃よ ich selbst --- ich selbst, ich hab' ihn gebraut! Aus Vaters Not und Mutterweh あれを作ったのは私自身だ 父の苦しみと母の悲しみから Verflucht, wer dich gebraut! 呪われるがいい トリスタンは気を失う クルヴェナルは恐ろしい恋の代償に震える 倒れていたトリスタンはゆっくり動く トリスタンは目を覚ます ヴァイオリンソロ トリスタン: Siehst du sie? おまえにはまだ見えぬのか トリスタン: Wie sie selig Range: D3 - F4 イゾルデが海を渡ってくる トリスタンは椅子にもたれかかるようにして椅子の下に座り、片手をあげて見えないイゾルデに微笑みながら手を振る。彼には見えているのだ。 Sie lächelt mir Trost und süsse Ruh, sie führt mir letzte Labung zu. 私に優しく微笑んでいる Ach, Isolde, Isolde! Wie schön bist du! ああイゾルデ、なんて美しいのだ! 船はまだか!? クルヴェナルは困惑し下を向いている。 その時 牧童の勇ましいシャルマイの音が。 真っ暗な海 遠くのほうに船がやってくるのが見えるはずだがこの演出では見えない 船だ! 言ったろう! Heiha! Heiha! 旗は? 喜びの旗です! イゾルデが来る! (船が座礁したかと思い、) トリスタン: Verloren! (悲し気に) だめか…。 船が岩陰に入り難破したかと心配するトリスタン。 回避しました! お前に全財産くれてやるぞ! Siehst du Isolde? Sie ist's! 早くお助けしろ クルヴェナルはイゾルデを迎えるために走って出て行く。 第2場 トリスタンの喜びが絶頂に達する 巻き付けた毛布を振り回して喜びを表現する。 この何か小物を使って感情を表現するというやり方は役者の手法です。 Tristan der Held, in jubelnder Kraft イゾルデの声が聞こえる トリスタン: O diese Sonne! Zu ihr, zu ihr! トリスタンは力尽き倒れる。 イゾルデ: Tristan! Ha! イゾルデは倒れているトリスタンに駆け寄り、顔を覗き込む トリスタンは目を閉じているがかすかに微笑する。 トリスタン: Isolde! (万感を込めて甘く優しく) トリスタンが息を引き取りイゾルデは嘆く。 イゾルデ: Ha! Ich bin's, ich bin's 私よ! イゾルデが来たのよ Nur eine Stunde ほんの少しでいいのよ 目を開けて 傷なら私が治すわ! nur einmal noch! Tristan! イゾルデはトリスタンに寄り添うように倒れ伏す 第3場 牧童:もう一隻、船が来たぞ クルヴェナルは叫ぶ Tod und Hölle! くそっ! 舵取りが告げる 味方がマルケの部下にやられた。 行け! するとブランゲーネの声が。 裏切り者め メロートが来る クルヴェナルはメロートと向かい合うなり、すぐに刺す。 トリスタンめ! メロートは死ぬ。 マルケの声 ブランゲーネが入ってくる マルケはこのありさまにびっくりし目を見開いてる クルヴェナールは手下に討ち取られる。 クルヴェナル: 殿はそこです。 トリスタン様お供しても叱らないでください クルヴェナルは倒れ絶命する マルケ: Alles tot! 皆死んでしまった。 Erwache! Erwache! 頼むから起きてくれ Du treulos treuster Freund! 不実で誠実な友よ ブランゲーネ マルケ: Warum, Isolde イゾルデ、なぜこんなことに。 おまえたちを夫婦にしようとしてやってきたのに ブランゲーネ: 姫様、聴こえないのですか? イゾルデが気が付く マルケの嘆きも聴こえない ブランゲーネが声をかけるが反応しない。 マルケは座り込む ブランゲーネも座り込んでいる。 イゾルデ: Liebestod (Mild und leise) 優しく穏やかに彼が笑ってるわ あなた方には見えないの? 彼の心臓の鼓動を かぐわしい息吹を 感じないの? Süss in Düften mich verhauchen? In dem wogenden Schwall, in dem tönenden Schall, in des Welt-Atems wehendem All --- ertrinken, versinken --- unbewusst --- höchste Lust! 甘い香り が私を包んでいます 押し寄せる激流の中で、 響き渡る音の中で、 この世の息吹を感じ 空間を超えて 溺れ沈んでいく 無意識の世界へ 最高の歓喜へと! イゾルデだけに光が当たっている。真っ赤なドレスで長く裾を引きずりながら、イゾルデは(割愛)… *** Related articles 2007年10月14日 ベルリン国立歌劇場『トリスタンとイゾルデ』 クリスティアン・フランツ 2008年07月27日 パリ国立オペラ「トリスタンとイゾルデ」 クリフトン・フォービス 2010年12月25日 新国立トリスタン、初日終了。 Part1 グールド 2013年11月17日 富山のトリスタンとイゾルデ Part1 演奏会形式 シャーガー 2015年09月06日 読響トリスタンとイゾルデ Day 1 Part 1 演奏会形式 エリン・ケイヴス 2016年09月11日 東京二期会 トリスタンとイゾルデ Day 2 福井敬 2016年09月18日 東京二期会 トリスタン最終日 ブライアン・レジスター 2019年01月20日 新交響楽団トリスタンとイゾルデ抜粋 演奏会形式 二塚 直紀 2022年08月11日 エルデ・オペラ「トリスタンとイゾルデ」第1・3幕 演奏会形式 片寄 純也 2022年08月28日 愛知のトリスタンとイゾルデ 演奏会形式 小原啓楼 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月19日 17時30分01秒
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