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カテゴリ:映画・テレビ
7月1日、梅田ブルク7で「劔岳点の記」を観ました。7月7日、この映画の鑑賞記をブルグに書き込みましたが、1回の記載量の関係で今回はその2です。 (上の画像の説明・映画「劔岳 点の記」公式サイト、剱岳に登るの画像をコピーしました。) (○映画「劔岳 点の記」の公式サイトは、こちらから。) ◎圧倒的な映像美 この映画の中には、劔・立山連峰の四季折々の雄大で、ひれ伏すほど美しく、しかし厳しい大自然の姿があり、その素晴らしい映像に圧倒されました。 他、雄大な山々に向かう豆粒のような測量隊の映像シーンがありました。このシーンには、厳しく雄大な自然や、悠久の歴史の中ではちっぽけな存在ですが、ひたむきに生きる人間の高貴な姿が描かれていました。 立山連峰から見える、富士山のシルエットがくっきりと撮影されていました。見事な撮影でした。 3年前に訪れた、室堂、みくりが池、一ノ越、雄山神社の映像もありました。懐かしさで画面を食い入るように観ました。 CGを使わず、100年前に実際に測量隊が登り、三角点を設置した山々を忠実に登っての撮影という徹底したリアリズムを追及しただけの、さすがに素晴らしい映像でした。 (上の画像の説明・映画「劔岳 点の記」公式サイト、剱岳に登る・ダウンロードの画像をコピーしました。) ◎山の自然にはクラシックが似合う 池辺晋一郎を音楽監督に迎え、木村監督自ら選曲したクラシックの名曲の数々が、自然と人間の織りなす壮大なドラマを盛り上げていました。 音楽は、既成の演奏の二次使用ではなく、池辺晋一郎がタクトを振り、仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏による生演奏でした。しかも演奏会場ではフイルムを流しながらの演奏だったそうです。 それだけにオーケストラの音の厚みも増しており、この映画の魅力となっています。 全編に流れたクラシックの名曲、その中には私の知っているヴィヴァルディの「四季」、バッハの「G線上のマリア」「幻想曲とフーガト短調」などがあり、それぞれが映像に合った絶好のタイミングで使われていました。 ヴィヴァルディの「四季」は、座席で上映開始を待つ間にも流れており、上映前からこの映画への期待感を盛り上げてくれました。劇場の粋な計らいに感謝です。 それにしても、雄大でしかし厳しい山の自然には、クラシックは良く似合います。 (上の画像の説明・国土地理院、地図閲覧サービスの劔岳をスキャンしました。劔岳三角点、長次郎谷です。測量隊は、行者の言葉にヒントを得てこの長次郎谷の雪渓を登り、登頂に成功しました。) ◎三角点のこと 点の記とは、三角点設定の記録のことを言いますが、画面の中に出ていたあの分厚い本の数々のことです。 一等三角点の記、二等三角点の記、三等三角点の記の三種類があり、それぞれの三角点設定に関わる必要事項が記されて、明治21年以降の記録は、永久保存資料として国土地理院に保管されています。 山登りのとき、山頂や見晴らしのよいピークでよく見かける三角点ですが、三角点については、一等18cm角、二等と三等は15cm角、四等は12cm角の岩石の標石で、原則「○等三角点」と書かれた文字が南を向くように設置されているといった程度の知識しかなかったのですが、この映画を観て、三角点に対する関心度が大きく変わりました。 (上の画像の説明・映画「劔岳 点の記」公式サイト、剱岳に登るの画像をコピーしました。測量隊の測量の光景です。) この映画の中で行われていた測量について、興味を持ちましたので調べてみました。幸い、映画「劔岳 点の記」公式サイト、剱岳に登るの中にわかりやすい説明がありましたので、紹介します。以下原文のままです。 ---測量とは? 測量の手順 この映画で扱う測量は三角測量という。それは、各三角点の位置(緯度、経度、標高)を求めていく測量のこと。 数学で、<三角形の一辺の距離とその両端の角度がわかれば、残りの距離は計算できる:正弦定理>という公式を利用して地図上の点の平面位置を決定する測量である。 精度を上げるためには、三角点を結んでできる三角点を小さくしていく。日本中を一辺が40~50Km程度の大きな三角形に分けて測量するのを一等三角測量といい、8km程度に分けるのを二等三角測量、さらに細かく4Km程度にするのが三等三角測量である。 「劔岳 点の記」は、三等三角点の物語である。 以上です。 この正弦定理の計算は、電卓のトップメーカー・カシオ計算機がウェブ上で公開している高精度計算サイトを使うと簡単にできます。 このサイトを使い、不等辺三角形の2角とその間の辺の長さから各辺の長さ、面積、高さを計算します。 (上の画像の説明・上記カシオの公開サイト、計算ライブラリー実行>数学公式集>三角形(24)の画像をスキャンしました。) 例として、角B52度、角C70度、辺a1,000としたとき、辺b929.2052623、辺c1,108.065244、面積S436,583.6641、高さH873.1673282の計算結果を得ることができました。 このサイトは、統計関数など専門的な計算式から、日常生活で役立つお金や暦、健康に関する計算まで、幅広い用途に対応しており、私も大変重宝しています。 (○上記、カシオ高精度計算サイトは、こちらから。) この物語は、ただ地図を作るためだけに登頂困難な劔岳に挑んだ名も無き男たちの物語です。幾多の困難を乗り越えて、ようやく頂上が目の前になったときの、案内人・宇治と測量手・柴崎のやりとりなど、感動的なシーンは多くありますが、地味なテーマだけに、ストーリー性を楽しみに観る人には少し?であるかも知れません。 それでも、観終わったあとに迫りくる、あの感動はいったい何であったのでしょうか。 本物の映画作りを目指し、妥協せずに過酷な自然に生命の危険をさらしながら撮影に参加したすべての人々の、執念のすさまじさが感じられたのです。かくして、あの美しき映像は生まれ、私はその映像美に酔いしれたのです。 (上の画像の説明・映画「劔岳 点の記」公式サイト、剱岳に登る・ダウンロードの画像をコピーしました。スタッフたちの、撮影の光景です。) 7月29日から、2泊3日の予定で北アルプス・燕岳登山に行きます。燕山荘のパンンフレット・周囲の山々には、雲海の先に劔岳の名前があります。天候にも恵まれて、劔岳が望めることを期待です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.07.09 07:41:04
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