主婦Aの裏ブログ

夜のプールの照明に浮かぶ彼の身体は
とても美しかった。

185センチはあろうかという長身と
適度についた筋肉。
長い手足。

そして、幼さを残す細い腰。






独身の頃、仕事で南の国に出かけたことがある。
序盤で仕事はほぼお役御免となり、
ホテルで暇をもてあそんでいた。

初日に仕事で失敗したせいで
青い海にも、照りつける太陽にも、心が躍らない。

ショッピングに出て、仕事関係の人に会うのも億劫だ。

私は部屋のラジオをつけ
バルコニーに座って一人缶ビールを飲んだ。
ふらふらに酔ってベッドに倒れこみ
惰眠を貪った。

夜に目を覚ました私を軽い後悔が襲う。
これでは時差がなおらない。
苦笑いしながらも
すっきりと目が覚めてしまった私は
水着を着てプールに出た。
ホテルのプールなら、知人に会うこともないだろう。


淡いエメラルドグリーンの照明に下から照らされ
水面がキラキラと光を放つ。


思い切って飛び込み、潜ったまま一気に進む。
水面に顔を出すと、夜の空が目に入る。
思いのほか、気分は晴れていた。

ぷかぷか浮かびながら、空を眺める。

デッキに座ろうとプールから上がると
一人先客がいるのが見えた。
暗くてよくわからないが男だった。

2つほどあけて座り空を眺めていると、
男が腰をあげ、プールに向かう。




プールの照明に浮かんだ彼の体は
とても美しかった。