主婦Aの裏ブログ

翌日も、私にはするべきことが無かった。
午前中に上司と朝ごはんを食べ、
少し仕事をすると解放された。

ビーチ沿いの店でハンバーガーを買い、
ホテルの1階で缶ビールを買って
部屋でだらだらと過ごす。


昨日の彼のこと。
仕事の事。
日本にいる彼のこと。

酔った頭でとりとめも無く
ふわふわと考える。


夜になると
いてもたってもいられない気持ちになり
またプールに向かった。

いるわけがない。
彼は今夜、クラブに行っているのだから・・・。
昨日会った時間帯とも違う。

そう自分に言い聞かせながら
心の隅の期待を押し込める。





プールに着くと、、、、

従兄弟達と遊ぶ彼がいた。

私を見つけて、プールから上がってくる彼。




「ここに居れば君に会えるかと思って。。」


　
　
　
　
早くなる鼓動。
目の前には、裸の逞しい胸。
くらくらする。。。

　
　
「、、、クラブ、行かないの？」

　
「君を、もう一度誘ってからね。」

　
　
　
行ってしまいたい。
どんなに楽しいだろう。
私は明日帰国する。
彼と話ができるのは今夜が最後だ。

　
　
誘惑に負けそうになる自分を抑えて
搾り出すように、答える。


　
「本当に行きたいけれど、行けないわ。」



「・・・。そう。残念だな。僕、明日帰国なんだ。」



「偶然ね、私も明日、帰国なの。」




彼は沈黙してしまった。
そして私も。。。。

昨晩はあんなに楽しく話せたのに。
今は、言うべき言葉が見つからない。


最初に沈黙に耐えられなくなったのは
私だった。


　
　
「じゃぁ、、」




踵を返して、エレベーターホールに向かう。
ドクドクと心臓が波打つ。
早く、、、行かなきゃ、、。

従兄弟達に何か言われて、
彼が追いかけてくる気配を感じる。

エレベーターは、、まだ来ない。


点灯する階数表示を見つめる。


『お願い、早く、、、。』




エレベーターに対してなのか、彼に対してなのか、、、。
自分でもよくわからなかった。