カテゴリ:読書日記
11人兄弟の、日常の謎の物語。
11人の兄弟みんなが出てくるわけではなかったけれど、そりゃ年と立場の違う兄弟を末っ子の目からそれぞれ描写していけば、謎のひとつやふたつやみっつくらい、生まれてくるってもんでしょう。 初恋の痛みだったり、友達を守る自尊心だったり。自己嫌悪や自暴自棄。嫉妬や羨望や諦念や情熱。英知。思春期のぐるぐる心の渦巻きは、そのまんま、ミステリです。 ものすごく面白い話ではなかったけれど、なんとなく懐かしい感じが切ないです。子供のころ、自分の手のひらをためつすがめつしていた頃を思い出す。自分が大人になることなんて、想像もつかなかった。そう、「自分の部屋」が欲しかった。初詣には友達とだけで行きたかった。兄弟がすごく邪魔で、ひとりっこにあこがれた。 だけど、いつでも心配だった。うちの弟。うちの妹。 「陽だまり」「迷宮」 好きな言葉が二つも入ったタイトルです。かつて「子供」だったことが悔しい人におすすめです。どうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月13日 00時05分25秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事
|
|