カテゴリ:読書日記
午睡。本堂の畳に背中をつけてひっくり返る。庭の小さな池が夏の日をかえして、透き通る影が天の板にちらちら光る。目をつむるれば、まなうらに、うおの泳ぐ。きらめく鱗の幻を見る。
新釈雨月物語を読みました。石川淳。ちくま文庫。 一応現代語訳らしいんですが、原文よりも古典調な文章であるような。でも句読点がある分、原文よりかは読みやすいかも。 子供のときからおばけの話が好きなので、雨月は12の時から数年おきにぽつりぽつりと読んでいます。いろんな本で手に取りました。大抵は現代語訳。だからか、そのつど印象が変わります。 今回、一番こころに響いたのは夢応の鯉魚。雨月のなかで一番ほのぼのとした話、その分中休みのようだから、今まではあまり好きではなかったのに。今回、読んでいる最中とても自由な心持ちがしたのです。楽しかった。生まれかわったら魚になりたい。 一番怖い話はなんだろう。初読のときは青頭巾でした。業が深くて人肉食いをする坊主の話。今はあんまり怖くない。グロテスクだなとは思うけど。いつ読んでも怖いのは吉備津の釜。最後、枝に揺れるもとどりが(!!!)解りやすく怖いのです。 続いて春雨物語も読んでみるつもりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年08月27日 07時53分43秒
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