190350 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

食べたり読んだり笑ったり

食べたり読んだり笑ったり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2005年09月27日
XML
カテゴリ:読書日記
海音寺潮五郎。

高校生のころ、「燃えよ剣」を初めて読みました。乙女らしく沖田総司に惚れ込んで、いろんな沖田くんを求めて幕末物を手当たりしだい読みました。最後、結論として、「私が好きなのは『燃えよ剣』の沖田総司であって、ほかの沖田くんにはイマイチ魅力を感じないわ、」だったのですが、ひとつ、印象に残った沖田くんがいます。

京都の白い道を佐久間象山が馬にまたがり歩んでいる。いつか斬らねば成らぬ人。緊張に刀を握る沖田の前、単の着物を着た小柄で色白な侍が象山の側すっと寄り、さらりと象山を斬って沖田の前を去る。いっそ少年に見まごう美貌。水が滴る冷たさを思う。

そんな場面。二人の美剣士のすれ違い。やっぱり司馬の小説かなあ。船山かもしれない。アンソロジーで読んだかな。短編でした。それは覚えているんだけれど、沖田は出てきてないかもしれない―・・・彦斎だけしか出てきてなくて、彦斎の容姿の描写に、沖田を思っただけかもしれない。

小柄な暗殺者の、凍るような美貌は脳裏に鮮やかです。・・・白刃がきらめき、見たことのない血しぶきに酔う。

海音寺の書く彦斎も、やっぱり顔のきれいな人みたい。だけど話す言葉が肥後弁なので、あんまり自動人形のような凍った美貌が浮かびません。もっとまろみがある。だけど性格はとっても悪くて、松代藩で交わす会話がスリリング。そうして最後、「人切り彦斎」が人であることを思い出させてくれる場面をさらりと描写して、幕がおりる。天晴れ!

この彦斎は、この彦斎で好きだなあ。

(ところで私のまぼろしの美少年・彦斎はどこにいるのだろう。なんだかもどかしいけど、読みかえして確かめるのも少し怖い。もろくて完璧な私の記憶。)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年09月27日 23時40分16秒
コメント(2) | コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

とおり・ゆう

とおり・ゆう

カテゴリ

お気に入りブログ

Dollparasol ALABASTROさん
文章で飯を食う tuitelさん
陽だまりのなかで hikaru6600さん
 もくれん草紙 もくれん天使さん
☆乙女心にずきん☆ 紅ずきんさん

コメント新着

背番号のないエース0829@ 松谷みよ子 「私のアンネ = フランク」に、上記の内…
とおり・ゆう@ Re[1]:理想の図書館(09/12) ぱぐら2さん おはようございます、お久…
ぱぐら2@ Re:理想の図書館(09/12) こんにちは。本当にご無沙汰しています。 …
とおり・ゆう@ Re[1]:見なかったことにする。(11/17) 淀五郎☆DXさん おはようございます、おひ…
淀五郎☆DX@ Re:見なかったことにする。(11/17) あ、とおりさんのところと記事タイトルが…

バックナンバー

2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X