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2007年01月13日
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カテゴリ:読書日記
長野まゆみ 河出書房新社



単行本化されなかった幻の初期作品が甦るデビュー10周年企画、で出版された本みたい。図書館で借りました。
この本、1998年に出ているから、じゃあ来年で長野まゆみはデビュー20周年になられるんですね。この頃の作風は好みではないので手に取ることもなくなったけれど、20年、コアなファンを持ち続ける作家でいらっしゃるのだから、やはりこのお方は魔物だと思います。
だって初期作品を、私は未だに愛してる。

この本には「カンパネルラ」と「銀木犀」が収録されてます。
幻の初期作品だそうですが、私はどっちも文庫で持ってます。この時期、月間長野まゆみって感じで毎月単行本出てたんですよねー。広島駅の本屋さんで通学途中に狂喜して買った思い出があります。「夏至祭」とか、「夏期休暇」とか……好きだったなあ。この頃の話はほんとうに。

カンパネルラ、カンパネラ、カムパネルラ、カムパネルリ。
私はエセ文学愛好家なので、どれが彼のほんとうの名前なのか存じません。「銀河鉄道の夜」もどれがほんとうのおわりなのやら、自分の好みすら見極めきれない状態です。
で、長野まゆみの「カンパネルラ」
これは巻頭にあるとおり、
「失われた風景の上に、少年(きみ)の名を書く」
ための「カンパネルラ」だと思われる。

ジョバンニでもいいんでしょうけど。ザネリでもよいんでしょうけど。
すりぬけて消えてしまった少年は、永遠にそこにとどまる少年は、カンパネルラだけなので。

すきとおったほんとうのたべもののような小説ではなく、関口巽が女の人だったらこんな小説書くんじゃないの?って雰囲気なのですが(特に「銀木犀」! 植物にとりこまれて泥と水の中、永久に眠る……関口くんの小説まんまじゃないですか?)、この向こう側に渡る空気がお好きな人にはたまらない物語。

「死んだ鳥の躰の中の卵を食べるとね、ずっと少年のままでいられるんだよ。」←白文字引用。こんな雰囲気です。





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最終更新日  2007年01月13日 11時28分31秒
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