テーマ:本のある暮らし(3285)
カテゴリ:読書日記
永嶋恵美 東京創元社
月曜日は市場に出かけ、針と糸を買ってきた! この歌のサイコーうらやましいところは、一日お風呂に入るのに費やして、それを仕事だと言い切るふてぶてしさですね!うそぴょん。 高校生の一週間です。 「土曜日に渋谷に出かけ 見知らぬこどもを連れてきた」 うっかり迷子を拾ってきちゃった猪突猛進女子高生・菜加ちゃん。 どうやら苦労性の努力家高校生恭平くん。 それから必死で一般人を装う良識派オタク克己くん。(菜加の弟。) みんな善人でかわいいです。 わがままだけど。 ほかに出てくる人たちも、みんな自分勝手です。 だけど、中心の三人のワガママは、どこか、愛らしい。 傷つく人を責めないような。 人の善いところを信じているような。 どんなに裏切られても、 (あんなふうに、ただ悲しくて泣く人だけだったらいいのに。) そうじゃない世の中を知っているけれど、 (渋谷の真ん中で、一人でお家に帰りなさいって放り出された小さなこども) 放っておけなくて、連れて帰る。 本能で、護る。 青春ミステリ。 なかで行われた犯罪は許しがたいもの、とてもひどい事件。 陰惨な事件からなるミステリなのに、読後感が悪くないのは三人のおかげです。 読み終わって表紙を眺めると、イラストが刹那的でときにつらいけど、傷はカサブタになるから。 いつか、大きな声で笑おう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月12日 22時28分04秒
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