カテゴリ:読書日記
ウェブスター作 遠藤寿子訳 ブッキング
復刊ドットコムで復活してたとは知らなんだ。 しかもずっと憧れていた「おちゃめなパッティ 大学へ行く」もあるという。いやこれ、日本語訳、出てないんだとずっと思い込んでいたのですよ。うれしいな。 で、読んでみました。 「おちゃめなパッティ」の方は再読になります。これ、むかし、「女学生パティ」の名前で出てたんだって。私が読んだのは「おちゃめなパティ」って邦題だったので、微妙に違うんでしょう。うん、3人のおちゃめな女学生が住んでいた寮のなまえ、この本だと「楽園横町」になっているけど、確かむかし私が読んだ本では、「天国の小道」だったと思うの。カタカナでフリガナふってあって、どうも『パラダイスアレー』という言葉を訳したみたいです。つづりはわかりません。 読みたい読みたいといっても、やっぱり日本語でさくさく読んで、脳内麻薬物質分泌させるのが、なんといっても私の読書の快感なので、こうしてトツクニの本がコノクニの言葉で読める文化と流通に、心からの感謝を捧げます。いやはや、ほんと。 寄宿舎生活とか寮生活とか、したことはないし、きっと私は集団生活には向いていないところがあるのだけれど、規律ある中だからこそ、はみ出して楽しむ生活というのには、ひどく憧れるものがあります。 勉強たいへんだわ、宿題多すぎるわ! 悲鳴あげながらも、落第はいやだもん、机に向かってお勉強をするの。 勉強キライキライって言いながら、試験の前夜だけはさすがに焦って、眠気こらえてコーヒー飲みながら計算式を解いたようにね。 そういえば。 試験前の一週間は部活やすみになったけど、一週間前から勉強したって、当日になったら忘れちゃうじゃない、試験勉強は一夜漬けが一番!―……というのが持論だったんですけど、大学生パッティが私とほぼ同じことを言っていたから、こそりと受けました。 きっとパッティは虫歯になっても「歯医者に削られるのも、虫歯菌に削られるのも、結果は同じ!天然素材を私は信じるわ!」なんていって、本当に痛くなるまで歯医者にかからないのに違いない。 物語の時系列からいくと、「おちゃめなパッティ」「おちゃめなパッティ大学に行く」なんですけど、書かれた順番は逆です。でもって、やっぱり後から書かれた分、「おちゃめなパッティ」の方が物語の完成度たかくっておもしろい。 先に感想文書いている北村薫の「玻璃の天」に引かれているパッティのエピソードは「大学に行く」からとったものだったけれども、(ということは英子嬢のお読みになったのは「JUST PATTY」ではなく「WHEN PATTY WENT TO COLLEG」ということになる)大学生のパティは「おちゃめ」というより「ずるい」感じがしちゃうのです。女の武器とか使っちゃうんだもん、親近感薄れちゃうのよ。 無邪気で潔癖で賢明で、やっぱりなにより茶目なのは、三つ編みをした女学生パティ、なんだか今でも、ひだまりの渡り廊下で、彼女が飛び跳ねている気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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