くつろぎかふぇ

　一昨年限りで更新終了、昨年のＷ杯の時期だけ限定復活しましたが、mixiがリアルタイムでの足跡機能を廃止したことを受け、しばらく試験的に楽天ブログを復活させます。mixiニュースから書いたものは難しいのですが、mixi日記にアドレスを張る形にします。

超党派で提出されていたスポーツ基本法案が、可決しました。これで６１年制定のスポーツ振興法が５０年ぶりに全面改定（バージョンアップ？）、されることになりました。
　わが国では、スポーツに関しての省庁、政策が、先進国では唯一と言っていいほど、ないといっても良い常態で、さらには競技スポーツでも市民スポーツでも、施策、施設はいいとは言えない状態。マスコミも、五輪やＷ杯で狂ったように「がんばれニッポン！」連呼するならば、そちらをきちんとコラムを書いて問題提起しろと、
今まで何度思ったことか。まだまだ中身は不十分かもしれませんが、基本骨子は、

・プロも含めた競技スポーツ、市民スポーツ、スポーツクラブ、企業や大学チームまで含め支援する。

・スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利である（スポーツ権）。

・スポーツ団体は運営の透明性を確保し、紛争の迅速適正な解決に努める。

・国、地方公共団体は地域のスポーツクラブを支援する。

・国は優秀なスポーツ選手の育成を支援する。

・国は国際大会の招致、開催のために資金確保などの特別な措置を講ずる。

・政府はスポーツ庁の設置を検討する。

　といったもので、２番目に上げた「スポーツ権」が初めて明記されたことも大きなポイントでしょうか。
　背景としては、企業任せだった強化に限界が来たこともあるのでしょうか。でも、企業（プラス学校）に任せきりの状態が長く続いたことも、よくはなかったのですが。
　昨年から、図書館で借りてきて、スポーツ社会学やスポーツ文化の構築、企業スポーツについて、スポーツ政策などの本をたくさん借りて読んできましたが、やはりそれらを読んでも、日本のスポーツ状況、政策の貧困さ、理解のなさを、改めて知る思いでした。これらの本についても、随時紹介して行くつもりです。
　その中でも、僕が感じるに、日本には、「スポーツも街づくりの一部に」という発想が全くなかったな、と。Jリーグができ、「Jリーグの理念」を知った時は、「スポーツを街づくりの中心に！」と言っていたのですが、今は少しだけ訂正しております。
　さて、なぜスポーツか？簡単に言ってしまえば、
「自分でやっても楽しい、見ても楽しい」
「老若男女、レベル問わず楽しめる」
「やれば心身の健康にもつながる」
→「街の人が元気になれば、街も元気になる」
ということ。オーストラリアでは、ある一定の人数でスポーツをする人が増えたところ、ほぼ近い割合の人数で心筋梗塞になる人が減ったというデータもあります。
　しかし、引用でも挙げましたが、震災復興法案も正式に可決されていない中、こちらを先に可決してしまっていいのかという時期的な疑問もありますし、やはりこの国では、「たかがスポーツ」という意識が、まだまだ強い国。「他に予算を割くことがあるだろう。」という意見も出るでしょうし（時期的に行っても、これもまた正しい意見ではありますが）、天下り先が増えるとか、「そんなものに」という反対意見が多いのも、残念ながら事実。最後は論外ですがね。でも、
本来なくてはならなかったものができるかもしれない、またはその指針ができたことは、やはり素直に喜びたいとは思います。
　引用記事は、この日記のもと記事と、提出時の記事で、懸念材料も上げた記事がありますので、公平性、両面意見を出すために、引用記事を二つ挙げておきます。いずれも毎日新聞の記事です。
　ちなみに名前の出ている友近氏は、元愛媛FCの選手。ということは、愛媛は国会議員がOBにいるということですね。地元南宇和高が全国大会優勝した時の中心選手です。

以下、引用です。

スポーツ基本法案が１６日、参院の文教科学委員会で可決した。１７日午前の本会議で可決、成立する見通しで、６１年制定のスポーツ振興法が５０年ぶりに全面的に改正される。

　委員会では、谷亮子、友近聡朗（民主・新緑風会）、橋本聖子（自民）、江口克彦（みんなの党）の４議員が質問に立った。国会で初の質疑を行った谷議員は、基本法案の中で盛り込まれた障害者スポーツ支援や、スポーツ庁の設置についての考え方を質問。高木義明文科相は「スポーツ振興が国民的な課題として取り組まれるように、体制の整備、予算の確保に向けて全力を注ぐ」と語った。

　法案は５月３１日に、みんなの党を除く超党派によって議員提案され、今月９日に衆院で可決された。【百留康隆】

国のスポーツ政策の土台となるスポーツ基本法案が３１日、衆議院へ提出された。超党派の国会議員で構成する「スポーツ議員連盟」（会長・麻生太郎元首相）がまとめた法案に、スポーツ庁設置に反対するみんなの党を除く各党が同意し、各党を代表する議員計１７人の連名となった。

　スポーツ基本法案は、６１年制定のスポーツ振興法を５０年ぶりに全面改定するもので、前文には「スポーツ立国の実現を目指す国家戦略」としてスポーツの推進を位置づけた。地域スポーツの振興と競技スポーツの強化の両面を国の責務と明記し、地方公共団体やスポーツ団体、学校、民間事業者なども連携し役割を果たすよう定めている。障害者スポーツも対象に含め、付則でスポーツ庁設置を検討することも記した。

　法案提出後に会見したスポーツ議連の奥村展三幹事長（民主）は「スポーツが文化と同じように扱われ振興するよう、基本法をベースにスポーツ界全体で盛り上げることが大事」と意義を強調。遠藤利明幹事長代理（自民）は「国が責任を持ってやると明記したのは大きい。財政、税制などいろんな形でスポーツを支援できる」と語った。

　法案は過去に２度、自民、公明両党が提出したが、一昨年は衆院解散のため廃案。昨年は継続審議となり、今回の新たな法案の提出に伴い取り下げられた。民主党などが修正を加えた今回は３度目の提出。今国会での成立を目指すが、政局の影響で審議が順調に行われるかも懸念される。【石井朗生】

　◇解説　新省庁設置に厳しい目
　スポーツの基本理念や国などの責務が明記されたスポーツ基本法案。その中で、付則という形にとどまったのが「スポーツ庁」の設置だ。

　議論の中で、多く出てきたのが同じ文部科学省管轄の文化庁との違いだ。文化庁は１９６８年に設置され、「文化芸術振興基本法」も１０年前に制定された。１１年度予算でもスポーツ関係の約２３０億円に比べ、文化庁予算は１０００億円を超える。このため「早くスポーツ庁を設置して、文化庁並みの予算を」という声は強かった。また、厚生労働省の管轄下にある障害者スポーツなども横断的に統括できることを利点に挙げる意見は根強い。

　奥村展三・スポーツ議連幹事長は「省庁間に縦割りの部分があるが、それらを一体化させるためにもスポーツ庁を作りたい」と語る。だが、一筋縄にはいかないようだ。行政改革がうたわれる中で新省庁の設置には厳しい目も向けられる。唯一、みんなの党が法案に反対したのもそのためだ。さらに、現在は震災復興が最優先され、たとえスポーツ庁ができても予算の拡充は容易ではない。

　３度目の提出となる今回は、共産や社民など計８会派が共同提案に名を連ね、法案成立の道筋は整った。ただ、ここにきて自民党などが内閣不信任決議案の提出を検討している。そのタイミング次第では他の法案審議がストップする可能性もあり、前途には不透明な部分も残されている。【百留康隆】