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"菜翁が旨"さんのほほ~ぇむ健康ペ~ジ

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工高3年在学中の電検三種合格記(第2回懸賞作文入賞:新電気S34.8掲載)

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          工高3年在学の中電検三種合格記
           (茨と栄冠の道:先生の強力な後押しで合格) 
                 
                    社団法人電機工業会 株式会社オーム社共催「第2回懸賞作文」第3席入賞
                    新電気13巻8号(昭和34年8月号)「茨と栄冠の道」 掲載作文
                    (入選者の発表は新電気13巻4号(昭和34年4月号)」誌上)
                            第一席 1名(賞金 3,000円)
                            第二席 3名(賞金各1,000円)
                            第三席 6名(賞金各  500円)
                            応募者全員に「新電気ノート」


                              S331217電検三種合格証書  新電気1957-8   新電気13-4



 毎朝、家を出るのが7時、学校へ着くのは8時40分、そうして50分に始業であります。また、週3回7時限、すなわち授業の終了時刻が4時になる日があります。したがって、家に帰り着けば6時過ぎになります。
この時間は、過去3年間不変でした。夏の朝7時、夜6時といえば太陽がまだ空にあります。しかし冬は朝はまだ薄明かりで、よるはもう暗い。

工高入学にあたって、私はまず、いかにして、この「通学時間が長い」という難点を解決するか、という問題に当面したのです。
えっ?通学途中に本を読んで、時間を有効に利用すればよいではないか、って?
そうです。しかし、私の場合、通学途中に本を読むということは、許されませんでした。
汽車、電車通学ならそれはできたでしょうが、私はバス通学です。
家から学校に着くまでの1時間30分をバスの中にいるのです。
ですから、眼鏡を使用していながら、それ以上眼を酷使することは許されません。

ここで、私がバス通学であることを理解していただくために、周囲の地理的条件について、ちょっと説明しますと、私の住んでいる兵庫県S郡は、神戸市とその周辺の2,3の都市を合わせたくらいの広大な面積を有していながら、鉄道は全くなく、交通機関といえば私営のバスのみです。
したがって、ひとたびこのバス会社がストライキを起そうものなら、S郡は完全な陸の孤島になってしまうのですが、幸いにもそんなことはありませんでした。
私の家から一番近くの駅でも、11Km離れています。
それで、バスは30分ごとにあって汽車より便利であり、また冬に駅までの自転車通学で寒いめにあうのがかわいそうだというわけで、しかも、父がそのバス会社に勤務していた関係から父母はバス通学にしてくれました。

私が、電検というものを知ったのは、中学3年の時工高の入学案内の電気科の所で「本科を卒業すれば、電気主任技術者資格検定試験の第三種第一次試験を免除される」と書いてあるのを読んだときでした。
そうして、電気科へ入学したある日、電気科の主任の先生が「学校で勉強するからには、何か目標というものを持たねばならない。たとえば、入学案内でもう知っているだろうが、電検という国家試験がある。これに合格しようという目標を持つのもいいだろう。」とおっしゃった。
しかし、私は別に、電検に合格しよう、なんて欲も何も起こらなかった。
依然として、いかにしてバスでの通学時間を有効に使うか、とばかり考えていたのでした。
そうして、とうとう意を決してある日、バスの中で本を読んでみた。すると、よほど道路の悪い箇所でない限り、少々バスが揺れてもハッキリ読む事ができるのです。
なんだ、こんなに字がはっきり見えるのに、眼が悪くなるなんてことはあるものか、と、いままで心配していた事が急にバカらしくなってしまいました。
しかし、1年生も2学期の終わりになるころに、なんだか黒板の字がボヤけているのに気がついてシマッタと思ったのですが、どうにも仕方がありません。
さっそくレンズを取り替えて、それ以来バスのなかで本を読むことはプッツリ止めてしまいました。
しかし、その時間がどうしても惜しいので、今度は、帰りのバスではその日習ったことを、また登校時のバスでは前日家でした予習のことを、頭の中でもう一度思い出すようにしました。
ときどき眠ってしまうこともあるのですが…。

 2年生になったある日、主任の先生が「いままでは、電検は希望者だけを受験させていたが、今度からは全員受験させる。イヤとはいわせない。君らのよきアシスタントとして『新電気』という本がある。2年生にもなれば半分は理解できるだろう。」と教えてくださった。
 さっそく、その日、ケーブルカーの表紙の新電気(第11巻第4号)を買ってみると、なんと運のようことか「電気の効果的な学び方特集」が掲載されていました。
これが、電検受験勉強だけでなく、学校で学ぶ上にも、直接・間接に役立ったのです。
そうしてまた、「新電気」によって、だれになんといわれても電検を受験しよう、と固く自分に誓ったのでした。

 しかし、ここでまた問題が発生しました。
 6時過ぎに家に帰って、予習復習も出来ないのに、どうして電検受験勉強が満足にできるだろう(測定、材料、送配電、法規は3年生で学ぶことになっているので、これらはどうしても自分でやらなければなりません。)
この問題はとうとう、少し眼が悪くなるのを犠牲にしてバスのなかで本を読もうということで一応は解決しました。今度は用心して、5分読めば10分は窓の外を見るというように心がけたので、2年生ではレンズを取替えずにすますことが出来ました。

3学期も終わりに近づくと、授業時間をさいて、また休みになれば数日登校して、一次受験勉強に先生も非常に力を入れて下さった。
その結果、私達の学校では一次試験に約3分の2が合格しました。
しかし、二次試験は就職勉強に力を入れる者もあって振るわず、合格者は14名にとどまりました。
私は、電検の二次試験が7月末でしたので、それまではまず電検受験勉強をすることにしました。

 かくして、昨年12月14日には大阪市人事委員会から「来年4月1日に、本市職員として採用する」という旨の通知を頂きました。
このときは本当に飛び上がらんばかりの嬉しさでした。
何となれば、私の知りえた範囲では電気技術職員の受験者は900名近くもあったようです。それが最後の身体検査のときにはわずか16名になり、競争率は50倍以上でした。
この難関を突破できたということは、言葉では言い表せない嬉しさだったのです。
また、12月20日頃には、友達から聞いて12月17日付け官報で私の電検三種合格を知りました。
しかし、印刷の間違いではないだろうか、2,3日すれば訂正されるのではないだろうか、と、なんとも言えない気持でした。
が、数日後にオーム社などから合格の知らせをいただいて、やっと、本当に合格したのだ、と考えられるようになりました。
また、同じく25日ごろには人事院大阪地方事務所から「国家公務員採用初級試験(電気技術職)に合格した」旨の通知を頂きました。
 幸運だ、全く幸運だ、こんな嬉しい気持で新しい年をむかえることが出来たのは、生まれて初めてです。
この喜びは生涯忘れる事ができないでしょう。

 しかし、公務員の初級試験や電検三種に合格したからといって、もう勉強しないでもよいというわけはありません。
三種の次には二種があり、二種のつぎには電気事業主任技術者として最高峰の一種があります。
これからもますます努力して、途中にどんな障害があろうとも、なんとか乗り越え最高峰へたどりつきたいと考えています。

                                                   (昭和33年第三種合格・大阪)

     *

茨と栄冠の道 (やればできるのだ!…私の電検三種受験勉強法)
     新電気13巻3号(オーム社刊 昭和34年3月号)投稿・掲載より転載


     *

高校受験のしあわせのハンカチ
     大阪日日新聞(昭和34年5月31日発行)投稿・掲載より転載・再編集

     & 

バス通学では、朝着てでた黒い詰襟の学生服や学生帽が、夕方家に帰れば土埃で真っ白になって、「たたけばほこりの出る」男の3年間でした。

汽車通学の友人達は、SLでトンネルを抜けての通学なので、学生服や学生帽は煤煙でピカピカの黒光りでした。
駅には本線や支線の機関車を方向転換させる操車場がありました。

私がバス通学していたこのころの道路は「洗濯板」と呼ばれるくらいの穴ぼこだらけで、国道2号線がようやく厚さ50cmくらいのコンクリート舗装が始まったばかりでした。

     *


【国立国会図書館デジタルコレクション(雑誌)】
雑誌

新電気 13(8)
オーム社 [編]


詳細情報
タイトル 新電気
著者 オーム社 [編]
出版地 東京
出版社 オーム社
出版年月日等 1959-08
大きさ、容量等 冊 ; 26cm
注記 国立国会図書館雑誌記事索引 4 (1) 1950.01~5 (9) 1951.09 ; 50 (6) 1996.06~
注記 本タイトル等は最新号による
注記 大きさ: 変更あり 付録とも
注記 総目次・総索引あり
ISSN 03865487
JP番号 00012338
ISSN-L 03865487
DOI 10.11501/3284606
巻次 13(8)
製作者 国立国会図書館
出版年(W3CDTF) 1959-08
製作日 2011-03-31
NDLC ZN31
資料の種別 雑誌
刊行巻次 1巻1号(昭和22年12月)-20巻2号(1966年1月),20巻3号通巻224号(昭和42年2月)-
刊行頻度 月刊
刊行状態 継続刊行中
掲載誌情報(URI形式) https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3380890
記録形式(IMT形式) image/jp2
言語(ISO639-2形式) jpn : 日本語
著作権処理情報
著作者名 著作権状態 裁定年月日
― 国立国会図書館内公開 ―
目次

《表紙写真説明》 / (0001.jp2)
建設進む東京電力横須賀火力 / p5~5 (0004.jp2)
北陸電力和田川第一,第二発電所 / p6~7 (0005.jp2)
長径間・超高圧関門横断送電線 / p8~8 (0006.jp2)
<時事問題から>花々しい電源開発,だが資金に困難 / 編集部 / p13~13 (0008.jp2)
軸受に磁気も一役--磁気推力軸受--富士電機 / 吉田敬 / p14~18 (0009.jp2)
放電加工とはこんなもの--東京大学・工博 / 鳳誠三郎 / p19~23 (0011.jp2)
冷房車で凉しい旅行 / p23~23 (0013.jp2)
直流クレーンか交流クレーンか--日立 / 中野二郎 / p24~28 (0014.jp2)
人工故障試験とはどんなものか--通産省 / 岡本久信 / p29~32 (0016.jp2)
配電電圧を6000Vに--関西電力 / 米山三男 / p33~36 (0018.jp2)
水車と蒸気タービンは--電界つれづれぐさ(8)--白木屋 / 長嶋儀治 / p37~41 (0020.jp2)
二宮尊徳の銅像 / 九州工大教授・工博 後藤文雄 / p36~36 (0020.jp2)
技術力と精神力 / 東北電機製造KK取締役社長 白川応則 / p41~41 (0022.jp2)
電化メモ(8)--電気井戸ポンプの話--松下電器 / 吉松昇 / p42~44 (0023.jp2)
舞台裏の電気設備拝見--新宿コマ・スタジアム / 石橋敏男 / p45~50 (0024.jp2)
添削指導の頁 / 編集部 / p44,110~116 (0024.jp2)
どこかに間違いがあるのですが?(第30回)--電荷は分割すればふえる?--人事院 / 浅井聡明 / p51~51 (0027.jp2)
世界の電力界--メキシコの電力--日立 / 村山三郎 / p52~57 (0028.jp2)
《私の青年時代》伊賀秀雄氏を訪ねて / 編集部 / p58~60 (0031.jp2)
電気工事技術者検定試験制度のねらい / 編集部 / p61~61 (0035.jp2)
電気工事技術者検定試験を受けるには / 編集部 / p62~62 (0036.jp2)
電気工事技術者検定試験にはどんな問題が出るか--その模擬問題と解答 / 編集部 / p63~69 (0036.jp2)
新しい配線方式バスダクト--日昭電気 / 池田栄一 / p71~76 (0040.jp2)
私はこんな試験を受けた(旧電気工事人免許試験の思い出)--東京電機大学 / 鈴木弘 ; 長沢三四郎 / p70~70 (0040.jp2)
JRコース / 中野昭三 / p77~84 (0043.jp2)
増設・改造にFケーブル配線 / SK / p76~76 (0043.jp2)
《表紙写真説明》--東京電力・千葉火力発電所 / p84~84 (0047.jp2)
対数とその使い方--電気数学の敎室(5)--人事院 / 浅井聡明 / p85~89 (0047.jp2)
単位とディメンション--物理学シリーズ(19) / 白峯好人 / p90~92 (0050.jp2)
座談会●先生と先輩を囲んで--「現場技術に役立つ学習」を聞く / 編集部 / p93~98 (0051.jp2)
工高卒の就職状況展望--人事院 / 内田知二 / p99~102 (0054.jp2)
最近の入社試験問題とその解答 / 編集部 / p103~109 (0056.jp2)
昭和34年電検一次合格者数 / p102~102 (0056.jp2)
NSBオール・シティ・コンテスト / p109~109 (0059.jp2)
茨と栄冠の道 先生の強力な後押しで合格 / 前野泰三 / p117~118 (0063.jp2)
事故の体験 回転を上昇させると電圧が消失する / 大塚勝男 / p119~120 (0064.jp2)
私の新案 二重目盛計器の現用表示法 / 鈴木生 / p120~120 (0065.jp2)
懸賞問題◆5月号懸賞問題の回答と批評 / 編集部 / p121~123 (0065.jp2)
気息を抜く / 日立製作所戸塚工場長 工博 久保俊彦 / p123~123 (0066.jp2)
学習研究室 / 倉持悦久 / p125~150 (0067.jp2)
スリージメション パイロセラム・マグネット敷皮・液化石油ガス / 編集部 / p124~124 (0067.jp2)
どこかに間違いがあるのですが(第29回)の解答 / 浅井總明 / p147~147 (0078.jp2)
トレーニング・セクション--%リアクタンスの計算--金沢大学 / 大坪昭 / p151~155 (0080.jp2)
Sinθの変化率から--東京電機大学 / 角田秀夫 / p156~158 (0083.jp2)
計算盲点シリーズ(8)--記号式の計算はこうすればよい--東京電機大学 / 田中謙一郎 / p158~162 (0084.jp2)
重要基礎問題と解き方の手順--オームの法則そのままの短絡電流の計算--オーム社 / 三井正光 / p163~165 (0086.jp2)
Equations and Their Solutions-Part I--新電気英語(32)--東京電機大学 / 妹川喜一 / p166~168 (0088.jp2)
連載短編小説 電力エンジニア万歳(その16)--ハイキングする西郷君 / 須坂滋 / p169~172 (0089.jp2)
9月号の内容お知らせ / p168~168 (0089.jp2)
国内ニュース / p173~174 (0091.jp2)
海外ニュース / p174~176 (0092.jp2)
New Products New Design / p177~177 (0093.jp2)
受験ニュース / p175~175 (0093.jp2)
ふるさとのおと / p178~178 (0093.jp2)
Book Guide / p178~179 (0094.jp2)
相談と紹介 / 大河内治 / p178~179 (0094.jp2)
読者の声 / p180~180 (0095.jp2)
編集後記 / p180~180 (0095.jp2)
挿込付録 昭和34年電検三種二次試験問題と解答速報 / p1~4 (0099.jp2)




新電気 13(8)  オーム社 [編]

この本の情報

書名 新電気
著作者等 オーム社
書名ヨミ シン デンキ
書名別名 Shin denki
巻冊次 13(8)
出版元 オーム社
刊行年月 1959-08
ページ数 冊
大きさ 26cm
ISSN 03865487
NCID AN00122071
  ※クリックでCiNii Booksを表示
全国書誌番号 00012338
  ※クリックで国立国会図書館サーチを表示
言語 日本語
出版国 日本





豆腐パワーは優れもの
   食が進まない時は 粥より豆腐


(1)疲れてお粥が欲しいときにも、粥より豆腐を・・・
(2)働きすぎた胃を癒すためには、粥より豆腐を・・・
(3)消化吸収率は、豆腐が94%、納豆ほぼ100%。効率も優れていますね。
(4)牛や豚の体温は人より高くて、牛が38.8℃、豚がは38℃…
  だから人の体内で固まって皮下脂肪や動脈硬化への近道…ですね。
  これに対して、大豆に含まれている脂肪は人の体の中に入っても固まらないし、
  その上コレステロールも殆どありません。
(5)食品成分表で比べてみると、
   凍り豆腐のタンパク質は牛や豚の肉の二倍以上
   凍り豆腐や油揚げの脂質は肉より多い。

←冷蔵庫に長期間入れっ放しにしておくとよく冷えて一層おいしいですよ♪


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