おせちは、娘が作ってくれる。
黒豆は、毎年、自前で煮たてて作っている。
わがやの鍋では、黒豆200gが適量である。
黒豆は、前夜には、煮立たせたところで、一夜待ちとなる。
この時点までに、あくをとっておくと、翌日の灰汁取りの手間が少なくなる。
かくして、翌日は、煮立たせるだけとなる。
勿論、沸騰させてから、念のための灰汁取りは必要である。
が、前日しっかりとあくをとっているので、わりあいと、手間がはぶけのである。
このあと、じっくりとにつめれば柔らかくておいしい黒豆の煮豆が出来上がる。
今年の黒豆は、おととしのものであるが、収穫して店頭に並べるまでのあいだでの乾燥が悪かったのか、カビの発生がみられた。
買う時に、少し高い値段だな、と感じたが、一応、信用して買ったものであるが、何を間違ったのかは知らないが、収穫後の乾燥が少々甘かったようである。
値段が高いくて一応、地場でのブランドだから、と、信用した自分を反省して、二度と、このブランドは買わないと、心に決めた。
勿論、米などの他の品物も・・・である。
このように、一次産業の商品は、その年の気候に大きく影響を受けるので、工業製品のように単純な知識では良い製品を市場に出せないことは、大切な心得のひとつであることは、自明の理である。
カビがついていたが、しっかりと水洗いをすれば、それは問題がない。
それより、乾燥不足のほうが、大切であろう。
そもそも、味噌や醤油やもろみなどは、防腐剤を使っていなかった昔は、製品上表面には、カビのオリが出来ていたものである。
それをかき分けて使うことなど、日常茶飯事であったのだ。
幼少のころより、防腐剤漬けになっている今日この頃のほうが、よほど怖いとさえ私は、思う。
おせちの定番料理の黒豆から、つれずれ思うままに、つづってみた次第である。