2017/07/10(月)00:47
追悼。僕が20歳だった頃の歌姫逝く
http://workpointtv.com/news/40311
7月7日。七夕。
タイのSNSで、ベテラン女性歌手ウェーンが癌で死去(享年54歳)したことを知りました。
古い話で恐縮ですが、私が初めてバンコクに来たのは33年前の20歳の時。
右も左も英語もタイ語もわからなかった20歳の僕にとって生まれて初めての海外の街でした。
それが縁となり、インドを何度も放浪した末に25歳の時からバンコクで暮らしているのですが、あの頃のことは今も忘れることはありません。
当時はまだCDが無く、道端や市場の屋台でよく音楽のカセットテープが安く売られていました。
タイや洋楽のヒット曲を中心に、仏教国らしくお経や高僧の講話らしいテープが並べられていたのを覚えています。
そしてそういうカセットテープの屋台は、いつもラジカセでヒット曲を大音量で流していて、
バンコクは歩いているだけでその時の流行りの歌が聞こえてくる街だったのです。
私の初めての訪タイの時に、ちょうど大ヒット中だったのがウェーンの「ラオ・ミー・ラオ」(意訳ですが”私たち2人で歩いていく”みたいな意味です)という曲です。
ラオ・ミー・ラオ(右クリック)
旅をしながら毎日のように聞いていたこの曲の独特のイントロ、どこかもの悲しい声やメロディーが大好きになり、日本へ帰る前にカセットテープの屋台のお兄さんに歌手名も題名もわからないからメロディーを口ずさんでテープを求めたのです。
やがて日本に帰ってバイトに明け暮れる毎日が再開すると、タイが恋しくなったり寂しかったり孤独な夜は下町の4畳半でこのテープをラジカセで聞いてはタイの思い出に浸って自分を慰めたものです。
この曲の歌詞の意味は、ひとりだった頃は寂しくてつらいことばかりだったけど、今はあなたがいる、あなたと二人で手をつないで歩くなら、もう寂しくない、怖くない、どんな苦難も乗り越えられるというよう感じで、歌詞カードを見ながらタイ語の辞書を引いて訳してますますこの曲が大好きになりました。
こんな風に信頼し支える恋人が欲しいなと夢想もしていましたから^^
ちなみにこの曲のプロモーションビデオを見ると、ウェーンがジーンズを履きワイシャツの裾を出していますが、これが当時の流行ファッションで街を歩く地元の女の子や男の子たちもみんなワイシャツの裾をだして歩いていたのも懐かしい光景です。
そんな訳で、本当に久しぶりに彼女のビデオを見て歌を聞いたら目頭と胸が熱くなりました。
ひとつの時代が終わったんだなという気がします。
ところで昨夜、車を運転していて交通事故に巻き込まれました。
幸い、誰も怪我をしなかったし被害も軽微だったので詳細は省きますが、現場のT字路にあと1秒早く入っていたら自分もあっちの世界に逝っていたかもしれないという状況でした。
運命って不思議です。
自分は生かされたのかなと感じています。
タイに移住してきて28年。
本当にいろいろなことがありました。
上り坂、下り坂、そしてま坂。
人生のネタ満載です^^
でも、何度転んでも起き上がるのが自分の真骨頂。
これからますます自分の人生を面白くしていこうと思うとともに
タイへの憧れとたくさんの思い出をくれたウェーンさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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