タケの「夢と勇気とサムマネー」

◆封筒もミニカタログ－お客に印象づけよ

お客と接触する機会が２番目に多いのは、封筒です。

考え方を変えれば封筒も名刺と同じミニカタログになりますから、
封筒を印刷する時も名刺と同じように、ミニカタログを作る
と思って原稿を書けばいいのです。


（１）定形封筒は似顔絵で差別化を

　電話番号の字や所在地の字の大きさは、50歳以上の人が
　無理なく読める字の大きさにすべきです。

　会社がある場所を示す「文章の地図」も入れておくと、
　お客から見ると便利になります。

　定形封筒の一番下の部分には、8～9ミリの間隔で「3～4本」の線
　を引いておくと、何かを送った時、簡単なメッセージが書けます
　からとても便利です。

　会社によってはマークを作り、これを封筒に印刷している会社も
　あります。

　悪くはありません。

　しかし会社はたくさんあるので、お客が小さな会社のマークを
　いちいち覚えるなんてとてもできないのです。

　その証拠に、あなた自身が中小企業の会社のマークを何社
　覚えているか思い出してください。

　10社として覚えていないはずです。

　これに対して、従業員50人以下の会社では、社長のウエイトが
　特別に高くなるので、社長の「似顔絵をマーク代わり」に
　印刷するのも一つの方法です。

　人相に自信がある人は写真にし、人相に自信がない人は似顔絵に
　するといいでしょう。

　人は「人の顔」に対して、普通使われている文字よりも
　とても高い関心を示しますから、マークよりも社長の似顔絵を
　印刷しておく方がお客から忘れられなくなる率が高くなります。

　大会社はこうしたくてもできませんから、従業員50人以下の会社では
　社長のイラストを封筒に印刷するのは差別化にもつながるのです。


（２）大型封筒にはお客に役立つ情報を印刷

　B5かA4サイズのカタログや書類を送るときは、大型の封筒を使います。

　この時、大型封筒の裏面に「お客の仕事に役立つもの」を印刷
　しておけば、とても喜ばれます。

　例えば健康食品を販売している会社であれば、
　「健康管理○○ヶ条」を考えて印刷します。

　中古車の販売や自動車の整備、それに損害保険の仕事をしている場合は
　「交通安全○○ヶ条」を考えて印刷するのです。

　私は独立して経営を始めた時、テキストを送る時に使う大型封筒
　の裏面があいているので、
　「もったいないな～、この部分を何かうまく利用する方法はないかな～」
　と考えました。

　その時、講演で使っていたテキストの裏表紙に
　「弱者必勝13の原則」を印刷していたので、
　これを大型封筒の裏面に印刷することにしました。

　ところが大型封筒の裏面には、のり付け用の「ベロ」が
　表側から折り返してきますから上から3～4センチは使えません。

　下側にも封筒を作るときの「返し」がきていますから、
　約2センチは使えません。

　結局、裏面に何かを印刷しようとしても、全体の7割ぐらいしか
　使えないのです。

　これではパンチが不足します。

　なんとか全部を使って、大きく印刷する方法はないかと考えていた時、
　2ヵ月ぐらいして、ふとある方法を思いつきました。
　
　それは、表と裏を逆にして使うことでした。

　つまり今までの「裏面」には送り先の所在地と社名を書き、
　今までの「表面」に弱者必勝13の原則を書くようにしたのです。

　この時、郵便番号を書く枠の順序が逆向きになりますから
　注意してください。

　こうすると裏面が100％利用でき、大きな字で印刷できるように
　なりますので、とても迫力のあるものができました。

　実際に使ってみるととても調子がいいので、これとは別に
　「お客中心の職場作り13ヶ条」、「般若心経日本語版」、
　「大安仏滅・友引物語」なども印刷しました。

　この封筒を使ってテープのカタログを送ると注目率が高まるばかりか、
　「竹田さんのところから来た封筒は捨てられない。
　切り取って壁にはっています」
　という感想を、FAXで送ってくれた社長が何人もいました。

　あなたの会社で大型の封筒を印刷する時は、
　このアイデアを活用してみてください。

　工夫次第ではとてもユニークな大型封筒ができます。

　このように封筒の印刷も、お客を出発点にした
　「お客起点の経営発想」で見直していくと、
　いろんな考えがうかんできます。

　この時は、まず少ない枚数を印刷し、うまくいったら多く印刷すると
　ムダが出ずに済みます。



（参考）大型封筒の裏面を利用した例

■お客中心の職場作り13ヶ条

１．会社の経営は粗利益が大本になっている。
　業績を良くするには従業員１人当たリの粗利益を、
　業界平均より２割多くすることを目指せ。

２．その粗利益は、お客のお金をもらった時しか出ない。
　すぺての経営はお客からはじまリ、すぺての産業も
　お客がいるから成リ立っている。
　経営の本質はお客を作ったり維持することにあるのだ。

３．粗利益を多くするには、まず得意先の数を多くし、
　次にその得意先から他社より多くの注文をもらう、
　優先得意先を多くすることが不可欠。

４．商品を買うかどうかの決定権はお客が100％持っていて、
　売る側はゼロ。
　今迄のお客が他社から商品を買っても、何一つ文句は言えない。

５．お客を多くするには、お客に不便をかけないことが第一になる。
　会社をお客の目で総点検し、お客に不便をかけている所があったら
　すぐに改善せよ。
　お客は言い訳など聞いてくれない。

６．名刺はミニカタログ。
　名刺の電話とFAX、それに所在地の字は決定権者に見やすくせよ。
　虫眼鏡を用意させるな。

７．電話とFAXの使用中は最低の経営。
　FAXなのに人間が出てないか。
　6回以上の呼出しになってないか。
　スジが入ってないか。

８．電話はお客を良く知っている人が取るのが原則。
　ニプイ人やお客の社名を知らない新人に電話を取らせるな。
　電話は用件を聞かず、担当者にパッと回せ。
　お客を取リ調ぺたりするな。

９．社長や担当音が不在の時に電話があり、
　お客が自分の方からすると言っても必ずメモに残せ。
　お客は用もないのに電話はしない。

10．報連相はお客から始めよ。
　FAXで注文が入ったらすぐお礼のFAXを入れ、
　出荷日が決まったらFAXで伝えよ。
　お客から注文をもらうこと以上に大事な仕事は、
　会社の中に１つもない。

11．経営で一番難しく、一番経費がいるのはお客を作り出す仕事。
　とにかくお客をつくる仕事ほど難しいものはない。
　お客作りが難しいので、経営が難しくなっているのだ。

12．中小企業はもともとお客が少ない。
　お金のかからない経営改善を本気で実践し、
　業績向上にしっかリと取り組め。

13．お客が思っていること以上の何かをしたり、
　お客の役に立つことをどこよりも熱心に実行し、
　お客から好かれて気に入られることで、
　特定分野でNo.１を目ざせ。
　この仕事が自分の人間を作り、人格を磨くことになる。



　小さな会社は「１通の感謝コミ」で儲けなさい
　～まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法～
　竹田陽一著より