市場を多角化するということは、
どのような会社にとっても
優れた企業構造の一つの型である。
どんな業界にも、斜陽化の危険は必ずある。
永久に成長し続ける業界はないのだ。
もしも業界それ自体が斜陽化してしまえば、
いくらその中で頑張ってもダメである。
業界としての時期的な消長があり、
業界固有の季節変動もある。
一つの業界に棲みついていたら、
それらの影響を100%受けてしまう。
まともにこの打撃を受けたら、潰れないまでも、
大幅な業績低下や季節変動による定期的な業績低下
を来すのである。
この危険を避けるためには、
二つ以上の業界にまたがることである。
「多角化」とは、棲みつく業界を多角化していくことである。
「内部、つまり技術は専門化し、外部、つまり市場を多角化する」
ということは、どのような会社にとっても、
優れた企業構造の一つの型である。
(一倉定の社長学 第1巻「経営戦略」より)