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社長は、無理を承知で社員に頼め。
社員というものは、何か命ぜられると、 二言目には「できません」と言う人種である。 これに負けたら、企業間競争に負けるのだ。 あくまでも要求し続けなければならないのである。 この時に、気をつけなければならないのは、 「できません」と言われた時に 「そんなことはない、できる筈だ」 と言ってはならないということである。 できるかできないかは主観の問題であって、 勝負は絶対につかない。 社員は「できない」と思っているのに、 「できる筈だ」と言っても始まらないのである。 社員が「できない」というのは、 実は責任逃れの伏線なのである。 つまり、社長に命ぜられたことが もしできなかった時に、 「だから、あの時できないと申し上げた筈です」 と言うためである。 だから初めての時には 「できるかできないか、 やってみなければ分からないではないか」 という説得が肝要である。 もしも、以前に試してみてできなかったことを やらせる時には 「もう一度新しい工夫をしてみよ」 と言ってやらせるのである。 もう一つ、社員が社長の指令をはねつける 伝家の宝刀がある。 それは「無理ですよ」という言葉である。 これに対して「無理ではない」と言うのは、 明らかに社長の負けである。 無理か無理ではないかは、完全な水かけ論であって、 決着は絶対につかないからである。 社員は、伝家の宝刀を引き抜いて身構えているのだから、 まずこの宝刀を叩き落とさなければならない。 これは意外と簡単である。 「そうだ、無理だと思う」と言えばよい。 社員の主張を社長が認めてしまえば、 社員はもう何も言うことがなくなる。 宝刀を叩き落としたら、こちらから切り込むのである。 「無理を承知で頼むのだ。やってくれ」と。 これで完全に社長の勝ちである。 社長に無理を承知で頼まれたら、 もう何も言わずにやってみる外はないのだ。 社員が「無理ですよ」と言うのは、これまた、 できなかった時の予防線なのである。 それを「無理ではない」と言えば、これは 「できて当たり前、できなければボンクラだ」 と言っているのに等しいのである。 これでは、社員はたまったものではない。 「無理だ」という主張を変える筈がない。 「無理だ」と社長が認める時には、 できなくて当たり前、できたら手柄になるのである。 ここのところの「理屈」というよりは 「心理」というものを知っていることが 大切なのである。 (一倉定の社長学 第6巻「内部体勢の確立」より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.05.20 07:03:48
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