会社の人間関係
企業内に良好な人間関係が維持されているということは、革新が行われていない実証である。企業は外部の変化に合わせて、常に自らを変えてゆかなければ生きていけない。絶えず自らを変えるということは、生やさしいことではない。これを行うときには、必ずといってよい程、内部の抵抗があり、摩擦が発生するのである。摩擦が無いような内部の変更は革新ではない。これから成果の増大を期待することなどできない相談である。優れた革新ほど批判や摩擦が多く、人々を苦しませるものなのだ。逆説的にこれを言うならば、企業体内に良好な人間関係が維持されているということは、その企業体において革新が行われていない実証である。ということは、生き残るための死にもの狂いの努力がないことであり、企業が倒産に向かって、バク進している姿そのものなのである。 (一倉定の社長学 第7巻「社長の条件」より)