行列を見ていて感じたのは女性率が高いことです。古い祭りでは女性といえばお姫様役程度で一般的に女性率が低いように感じます。祇園祭などは確かに今でも低いです。だんじりの場合は女性に限り年齢制限があり、だんじりに乗ることもできませんが、曳き手の女性率は30%程度にもなります。
日本の過去を西洋的な尺度で見れば差別の激しい国でした。単一民族国家では珍しいともいえます。しかし日本の尺度で言えば、職業でもそうなのですが、日本は「専門家分業」社会でした。士農工商も職業で分けていますし(差別階層をつけなければ良かったのですが)一子相伝、技術伝承のしっかりした国でした。今でも古くから続く日本企業に入った新入社員はマニュアルが無いことに苦労する事もあります。新人は教育担当にしごかれて一人前になります。
男女の場合も業務分担が背景にあり、仕事と家庭をここまではっきりと仕切ってきた文化は珍しいはずです。家庭内での女性の地位は決して低くなく、女性が家庭の会計を握り男性はお小遣い性。今の私の家庭もそうですけどね(笑)世界的に見れば非常に珍しい文化です。井戸端会議という女性特有のコミュニティも強い力を持っています。
その一方で日本の男女の役割を明確に仕切る文化が女性の社会進出を阻んでいることも事実であり、やはり変えていかなければいけない文化だとは思います。ただ、今の基準に照らして昔の女性が不幸だったと錯覚しがちですが、決してそんな事は無かったと思います。