江戸時代は300年ほど存続しました。江戸政治の素晴らしさはわずか1年しか続かない平成の政治家と比較すると分かります。江戸時代の制度に良い面、悪い面はありますが、参勤交代は人間心理を利用した巧妙な政治演出でした。教科書を見れば参勤交代の目的は「幕府が各藩の支出を促し経済的に抵抗勢力になることを防ぐため」などと書いてあります。
しかし各藩は明らかに喜んで参加し、参勤交代の派手さを競い合ったようです。派手で大規模な大名行列のおかげで街道の宿場や商店は潤い、大名行列に関連する商売も繁盛しました。江戸時代は税金が高かったと言われますが、実は現代とあまり変わりません。しかも金を城に貯蓄せず民間に支出させたことで経済がうまく回っていました。明治維新前の気候変動による飢饉や外敵への対抗で軍事資金が増大し大名行列が足かせになったから「参勤交代は幕府の策略」となったわけです。
春日若宮おん祭の行進は貴族、武士の行列から最後は大名行列へと変わっていきます。歴史の変化を表しているのかもしれません。この祭りは12世紀から始まっています。参勤交代が江戸時代の文化であるとすれば、最後につけたされた日本の歴史なのでしょうね。
日本の文化は過去に頼っているようです。戦後の日本文化、何か日本らしいオリジナリティを作ることができているでしょうか。100年後に平成行列があるとすればどんな行列なのでしょうね。オタク文化かもしれません。