朱雀は四獣の一匹で、南の位置を指します。南を向いて座る天皇の目線の前にある朱雀門は平城京の中にある平城宮の南門になります。平城京自体の南門は羅城門とよばれ、ここよりも遥かに南にあります。つまり皇居に当たる政治の中心地がこの朱雀門から遥かに北に見える大極殿までとなるのです。
平城京は平安京よりもはるかに面積が広く、興福寺、東大寺、薬師寺、唐招提寺なども平城京の内側となりますが、奈良の地理がわからないとわかりにくいですかね。朱雀門から朱雀大路が南に向かって伸びて行き、今の大和郡山市辺りまでが平城京だったらしいのです。広い面積なのですが大部分が寺院勢力に占領された事と、水道、特に下水処理の都市設計が甘かった事を名目上の理由として74年で廃棄されています。
朱雀門がどのような景観だったのか、歴史的な資料が残っているとは思えません。朱雀門の景観は今中国などに残っている歴史的建造物や寺院などから想像した姿なのだと思います。しかしそれでも神々しく、あたかも遥か昔からここに建っていたような荘厳さを感じます。いろんな面でこだわって設計された事は有名で、今後何百年もこの場所に残っていくのかもしれません。
今は私が住むマンションより遥かに新しい、新築建造物ではあるのですが。