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カテゴリ:ウイルス速報
戒厳令の最中ですが、ウイルス検知器がウイルスを検知しましたので、お知らせします。 × A 実業団駅伝の要項のみ改正することで外人選手は実業団にとどまることができる。(朝日新聞) × B 最後にレモンを絞ることで酸味が飛ぶのを防ぎます。(NHK) A、Bそれぞれ「のみ」、「最後に」を含めて条件を述べる文になっています。条件が含まれるものに「~ことで」を使う蛮行が横行するようになったのはいつからでしょうか。 × 疲れた体をそのままにしておくことで、筋肉は縮んだままになってしまいます。 ○ 疲れた体をそのままにしておけば、筋肉は縮んだままになってしまいます。 このように否定的な結果を招く場合にはおかしいことがすぐにわかるのですが、上のふたつは肯定的な内容なので、すぐに気づかない人がいるかもしれません。 Aのような文ではよくわからないと言うと、もともと陸上界の事情を知らない人には一文だけで理解しにくいのは当たり前だと反論する人がいますが、果たしてそうでしょうか。当然、前後の文があってはじめて完全な情報を伝達できるわけですが、それぞれの文が果たすべき「責任範囲」というものがあります。その責任を果たしていない文や、逆に全体の論調と食い違う情報を与えるような文は、やはりそれ相応の責任を問われるべきです。 もともと、実業団駅伝には外人選手が出れないようにしたいと思っている者がいて、本来はもう少し上位の規定に手をつけたいのだけれども、そうすると日本の実業団に所属する外人選手がどの大会にも出ることができなくなり、日本の企業に所属する理由がなくなってしまう。そこで、何らかの規定を改正するにしても、実業団駅伝の要項だけにしておけば、外人選手が実業団にとどまることができる。 そういうことを言いたい文ですが、「~することで」まで読んだ時点で、まるで外人選手を日本にとどめる方策だけを議論しているような印象を与えてしまいます。 □ 実業団駅伝の要項だけを改正するようにすれば、外人選手が実業団にとどまることができる。 □ 実業団駅伝の要項を改正するだけであれば、外人選手が実業団にとどまることができる。 ただ、実業団駅伝の要項だけを改正するといっても、それだけではすまなくなるので、問題は複雑です。実に微妙な含みを一文だけで表現するのは不可能ですが、こういうところに「~ことで」を使う人がいるのは困ったことです。 Bの文も、「レモンを絞ること」によって酸味が飛ぶのを防ぐのではなく、それを「最後に」することによって酸味が飛ぶのを防ぐのですから、こんな文はありえないことになります。 なぜ、ごく単純に □ 最後にレモンを絞って、酸味が飛ばないようにします。 と言えないのでしょうか。 実はこの「~ことで」こそが、冠詞をはじめ、外国語の理解を妨げる元凶なのです。 ←ランキングに登録しています。クリック、よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.03.12 18:27:10
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