ゲーム「戦国BASARA」の影響でいま片倉小十郎が熱いブームらしい



その片倉小十郎が治めた城下町・宮城県白石市は
昨年あたりから若い女性観光客がうなぎのぼりに増えているそうだ

白石市も町をあげてこの人気を盛り上げようと小十郎のキャラクターグッズを販売
町の中を「戦国BASARA」の小十郎のラッピングバスが走っているほどだ



さて、この片倉小十郎がなぜゲームに登場するほど人気があるのか

仙台藩祖・独眼竜伊達政宗の側近であることはご存じだろうが
それだけではない魅力的なキャラだからに他ならない


まず、伊達政宗の軍師である片倉小十郎景綱だが
実は「小十郎」という名前はこの景綱を初代として以後当主が代々名乗るようになった

景綱は19歳の時より伊達家に仕え数々の功績をあげている
人取橋の戦い、郡山合戦、摺上原の戦い、小田原参陣、朝鮮出兵、関ヶ原の戦いなど
そのほとんどが政宗の窮地を救うものだった

特に豊臣秀吉の小田原攻めにあたり、伊達家がその存亡を巡って大きな混乱に陥った時
景綱の進言によって政宗に小田原参陣を決意させ
秀吉による伊達家討伐の危機から救ったことは一番の功績とされる

また、景綱の才能に惚れた豊臣秀吉や徳川家康が大名に取り立てようとしたり
家臣として引き抜こうと家屋敷を与えようとしたが
景綱は「終生政宗様に仕える」とこれを辞退したという有名なエピソードがある

関ヶ原の戦いの後、主君・政宗が仙台藩主になると家康によって一国一城令が敷かれたが
仙台藩は特例として政宗の居城の仙台城の他に景綱の居城としての白石城も認められている
それだけ景綱は政宗だけではなく家康にとっても特別な存在だったといえる



二代目小十郎は、景綱の長男である重長（最初は重綱と名乗っていた）だ

景綱が智将だとすれば、こちらは猛将
政宗とともに大坂冬の陣、夏の陣に参陣した
特に夏の陣では、大阪方の名将真田幸村と互角に戦い
猛将後藤又兵衛と薄田隼人を討ち取るなどの功績をあげた
伊達家に「鬼小十郎あり」と恐れられ、天下に名を轟かせた

また、敵対した真田幸村から娘の阿梅のほかに遺児などを託され
それを保護したという情の厚さもみせている
阿梅は後に重長の後室となっている



このことから分かるように「戦国BASARA」の片倉小十郎は
この初代景綱と二代重長をミックスさせたキャラだといえる



ついでといってはなんだが、三代目小十郎の景長についても触れておく

景長は重長の嫡子ではなく、松前藩主の子である松前安広と重長の娘である喜佐の子で
片倉家の養子である

有名な「伊達騒動」の際、幕府の命により事件の処理と動揺する領内の鎮静化を図り
功績をあげている



以上にあげた景綱の小田原参陣の進言、重長の大坂の陣における武功、景長の伊達騒動の処理
この三人の小十郎の三代に渡る功績を「片倉家の三功」といわれる



「戦国BASARA」の小十郎人気が今だけのブームに終わらず
NHK大河ドラマでも片倉小十郎が主役になる日が来てもおかしくはないだろう