|
カテゴリ:こどもたち
教会のクリスマスといえば、降誕劇。と私は思っていた。
マリヤとヨセフと、泊めてくれない宿屋の主人、うまごや、天使のお告げ、星に驚く羊飼い、三人の博士の贈る宝物・・ 毎年、毎年、飽きず繰り返してきた。子供の幼稚園でもなかなか荘厳なページェントをやってくれた。うちの教会でも、もう3回やっている。 この春から牧師が交代し、大学生の息子クンが日曜学校の教師をやってくれている。多芸多才優秀な彼に「今年降誕劇どないする?」と聞くと反応がわるい。「僕、降誕劇ってやったことないんで、ピンとこないんです。らんどくさん作って下さい。」え~。。もう十分忙しいのになあ。確かにこれまで毎年私が世話してるんで、私に、というのも無理はない。 子供たちに、今年もやりたい?もうええよねえ、と聞くと、「やる、やる、今年もやる~!」とえらい乗り気だ。ホンマ?ちゃんと練習やるんやろね。 牧師婦人に「今年はこんな感じで、いつもと雰囲気変えてやってみたら?」と資料をどさっともらい、11月末から作り始めた。難航・・・顔ぶれは決まっているから、配役も考えてセリフをつけないと、上演不可能なものができてしまう。カレンダーの関係で練習回数も少ないから、セリフは読ませて、動きは別の人がやることにしよう。やっとこさっとこ、12月初めに台本を配った。「だれが何をやるか、自分らで決めたい~」そんなん言うんやったら10月頃から容易せなできんわっ。 練習に入ると、3年生以上はなかなか上手に読むが、1年生がふざけて邪魔ばっかし。日曜に一回通すのが二週、次の日曜が本番。 前日の夕方、子供を集めて立ち位置など決めながら一回通した。 ボロッボロ・・・ 自分のセリフなんて読むだけなのに、どれかもわかってない。 もうやめましょうか、とそこまで出掛かっている。 しかし、来ていた牧師夫妻やお母さんで、テキパキと立ち位置を変え、舞台配置を変え、演技をつけ、1回、2回と通すうちに、ものすごい勢いで子供たちの声がでてきた。マイクが割れる位歌う。 重要な狂言回しの役が、大学生の息子クンなのだが、大学関係の用事で来れないので代役に美声テノールのお父さんに読んでもらったのがすごくよかった。この方も、どんどん感情が入ってうまくなる。つられて子供のセリフがよくなってくる。セリフはこのお父さんに読んでもらい、息子クンは演技に専念するよう変更する。三回通して、バッチリ終わった。すごい。 翌朝。衣装を着けて通す。再びボロボロ。朝二回、昼1回通して本番。 やや緊張した子供たちは、誰一人ふざけも照れもなく、しっかりと役を果たした。しっかりした語り口で読まれるセリフを聞いていたら、自分で作ったセリフなのに感動してしまう。こんなによかったっけ?夜中にモーローとしながら半ばやけくそで作ったのでは? しんどい仕事だったけど、深い満足感が残った。 自分にない物は教会の兄弟姉妹(と教会員同士のことを言う)から借りてくればいいのだ。一人でかかえこんでピリピリしなくても、力を出し合えばいいんだ。なんだかそんなことが体感されたクリスマスだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|