図書係からのおすすめ本
どうも、落語が好きで、フィクションが好きで、SFが好きなたぬきじじいです。春先から予告していた本の紹介を今の内にしておこうと思います。前に一度、落語家の前座が主人公の小説を紹介しましたが、(田中啓文さん『笑酔亭梅寿謎解噺』全5巻・・・今年の2月18日に記事があります。)そのつながりで、落語家が主人公のものを探していると、愛川晶さんの『神田紅梅亭寄席物帳シリーズ』を見つけて、読みました。• 道具屋殺人事件(2007年9月 原書房 / 2010年7月 創元推理文庫)• 芝浜謎噺(2008年4月 原書房 / 2011年5月 創元推理文庫)• うまや怪談(2009年10月 原書房)• 三題噺示現流幽霊(2011年5月 原書房)田中啓文さんのシリーズは、どういいましょうか。落語入門編で、とっつきやすく、楽しめます。(この紹介は、前の記事をみてくださいね。)この作品の主人公は、二つ目の寿笑亭福の助で、その妻亮子の視点で語られます。師匠の山桜亭馬春さんが、脳梗塞で、半分引退状態で、福の助は、別の一門に預けられた状態です。頑固一徹、頭脳明晰な馬春さんが、探偵役で、事件を解決する一言が『合点』・・インパクトがあって、楽しい。この作品群の魅力は落語について、深く考察しているところです。特に『芝浜』については、波打ち際のシーンの扇子(キセルにみせて)の使い方なんかは、とても、面白い。結構落語ファンにとっても、とても楽しい展開です。殺人事件は最初の一冊だけかな。(き・・・記憶があいまい?)師弟関係や、人間関係の展開も楽しめますし、推理小説としても秀作です。田中啓文さんが落語入門編とすると、この作品群は、二つ目編(?)是非、お楽しみください。愛川晶さんの作品でもう一つ、読んだ本で『ヘルたん』これは、名探偵と言われた老人がアルツハイマーにおかされたことを、自覚しながら、事件を解決していくという、とても、緻密な構成の小説です。この作家の別の作品も読んでみたいと思っています。『シュガーアップルフェアリーテイル』 三川みりさん 角川ビーンズ文庫今、12冊めかな。たぬじいの年代でこの本を手にするのはおかしいかな。銀砂糖師という職業の女の子が主人公で、妖精たちと物語が進んでいきます。妖精とのやりとり、どういえば読んでくれるかな。楽しくて深い?僕はミスリル・リッド・ポットが好き・・・ほんとに彼が妖精王ならば・・小学生から読めます。大人でも大丈夫・・・。えー、お暑い日が続きますが、みなさま、熱中症には、十分ご注意いただいて、涼しい図書館で、紹介した本でも読んで、楽しんでいただければ・・・ではでは暑いといえば、花火・・花火といえば、両国の花火・・・落語『たがや』を楽しんだあと、紹介した本を読んでみてくださいね。たぬははとの会話たぬはは『たぬじい、生活費を下ろしてきて、貯金通帳と印鑑を渡すから・・』たぬじい『カードで下しているから、貯金通帳と印鑑はたぬははが持っていていいんだよ。』部屋で貯金通帳を探すたぬはは・・・毎日、これがくりかえされます。へたすると、1時間ごと・・・・たぬはは『たぬじい、おこづかいあげようか』毎日、もらってやろうかとほくそえむ黒たぬじいでした。