私とは・・・?
何年か前のある期間、「私は何・・?」という問いをしていた。寝ても覚めてもこの問が頭から離れなかった時期があった。【私は】、【自分は】こう感じる、思う、~したい、~したくない、~が好き、嫌い。この【私】とはいったいなんなのだろう・・・?と。ある日目を瞑って考えた。心の中でお念仏を唱えているかのように、『私とは、私とは』と問うていた。考えすぎて頭の中がボーとしてきた。其の時頭上にぽっかりと穴があいた。そこから光がもれていた。私はその穴から頭を出し中をのぞいた。そこはそらのような空間、だった。つまり空っぽ。それを見たとき、「私はないもの(存在しないもの)を探していたんだ」と思った。みつからないわけよね。そうしたら急におかしさがこみ上げて一人で笑ってしまった。「なーんだ・・・・」 未だもってよく意味のわからない体験ですが、この出来事以来なんだか気が楽になりました。私ってこういう人、という言い方をしますが、それは全て対象や出来事に対する反応でしないような気がします。青空のようなにごりのないからっぽで満ちている存在である我々が、そこになにを映すか・・・なんですね。まるで映画のように・・・。環境(人種、国、家族・・・)生きていればこその正も負もある体験、etc で個性が出来るのだと思います。ずーと以前、ある人に「How are you?」って挨拶がわりにたずねたら、「そんなことを尋ねてなんになる?なにかあっても雲だよ、雲」といわれたことがあります。其の時は『なんて偏屈な人だろう』と思いましたが、同時に、この人は何かを教えてくれているのではないかな、とも思えました。この体験はその時の疑問への30年後の答えだったようです。雲のないそらは抜けるようです。真黒な雲で覆われてしまっていても、それはその時。その雲の上はいつもの抜けるような青空があります。