「天使の正体」
この書はきらきらしていてまぶしい・・・。 そしてこの写真のまぶしさはなんだろう・・・。1月25日この方たちを知りました。金澤翔子さんとお母さんの金澤泰子さん。お二人とも書家です。テレビで放映されました。すぐさま母である泰子さんが書かれた本「天使の正体」を注文し、昨日届きました。タイトルに強く惹かれました。・・・・・・「さあ、これから、ダウン症の子を一人、下界に授けます。この子を育てるにふさわしい、優しく力のある、祝福される母親は誰でしょう」《天上の会議》という詩。冗談じゃない、障害児の誕生を受け入れられる母なんていやしない。・・・・・・・ 「天使の正体」の最初のページから翔子さんは23才になりました。母はダウン症で生を授かったわが子を受け止めることができずに苦しみました。・・・・・・・翔子誕生からしばらく私は、我が子がダウン症だなんて、絶対にこれは夢だ。いつか醒める悪夢なのだと、手をつねってみては「醒めて!」と自分に言い寄ったりしていた。「ああ夢だったんだ」と言える刻(とき)を想い、寝ては夢の中で、夢だったんだという夢を見て、また夢の中で、これは夢だという夢を見て、醒めて・・・・また・・・・と、あまりの苦しさに現実と夢の堺がないほど、錯乱し、逃避していた。 決して夢ではないのだ、私の娘はダウン症なのだ。と自覚して立ち上がる日々は想像を絶する。一、二年を要した。・・・・・・・ 「天使の正体」から育てる過程での翔子さんの激しい爪かみ、生えてくる間もなく時には血だらけになるほどの爪かみに母娘で苦しみました。それが翔子さんが二十歳(はたち)で初めての書の個展を開いたのち治りました。書展は成功をおさめ・・・・・・翔子は喜びに充ちた。多くの人々からの励ましの優しい想いが、心の芯に届いた。初めて翔子の心の中が充たされたのだと思う。直接表現はしなかった(実は爪かみで激しく表現していた)けれど”私を認めてほしい”という強い意志があったにちがいない。きっと生存への大きな思いが充たされていなかったのでしょう。翔子にしてみれば周りの人々から善意ではあるけれど、ダウン症者として、特別やさしく接してもらうことが、案外辛かったのかもしれない・・・・・・・・ 「天使の正体ー個展の最大の成果―」から今度翔子さんの書展にいきたいと思います。実際に書を見て何を感じるか、が楽しみです。書を見て涙ぐむ人が多いそうです。翔子さんの在りようを、また母である泰子さんの在りようを伝えるすべを持たない私を歯がゆく思います。本には母の心の眼でみえる翔子さんのエピソードが宝石のようなきらめきを放ちながらちりばめられています。人間の「本性」について深く考えされました。最後に・・・・神秘・私にはまだ具体的に捉えることのできない時空、 それを翔子は確かに感じている。・・・・・・廃屋に咲き乱れる白い花に手を合わせて、深々と頭を下げている翔子さん。・・・・大きなガラス戸の外に、神々しいほど銀色に煙るラピスブルーの雨が降りしきっていた時、その果てしない雨の空間に向かって手を合わせていた翔子さん・・・・・引用ーその光景を母は・・・・・その姿に私は感動した。その後も何度か、翔子のこの、息をのむような光景に出会っている。・・・・と表現しています。 金澤翔子の世界ダウン症の女流書家http://www.shoko-sho.com/index.htm/gallery.htmいち早く翔子さんの類いまれなる才能に気づかれ、翔子さんを紹介しています。写真家のりたけさんのHPhttp://noritake777.jp/index.html 写真はのりたけさまの承諾を得て掲載させていただきました。のりたけさん、ありがとうございます。一人でも翔子さんを知って、私がそうだったように生きる元気、勇気を得てもらいたい、という一心でこのブログを書きました。けど伝えきれません。是非本を手に取り読んでいただきたいと心から願います。素晴らしい一冊です。読んで頂いてありがとうございます。