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山形達也85歳の心理学

山形達也85歳の心理学

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2011.04.24
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さえ:

HGFの論文が通って、上海から戻ってきた張嵐もとても喜んでいたのですが、あとでやってきて、あの論文に呉英良老師の名前がない、と言うのです。

待てよ、彼の名前も入れたと思うけれど、もう一つの方だったかなと考えると、たしかにHGFの方に入れていませんでした。でも、彼の名前が必要でも、もう遅いのです、論文がAcceptされたらもう変更は利きません。

「どうしてなの?」

「学位を申請するのにあれが使えると思ったのに」と彼女は言います。学位論文の使う論文には指導教官の名前がないといけないそうです。呉英良老師との共同指導なのですよ。

だって、あれは元々王くんの論文で、それが不十分であなたに手伝って貰ったのでしょ。あなたの研究じゃないですね。王くんの論文だけど、雑誌に受理されるレベルになっていなかったから、あとの人が加わって論文を仕上げたのですよね。

あとの人が、つまりあなたが頑張ったからこの研究が論文になったわけで、あなたが論文のSenior author(論文で最初に名前が載る人)になったいるでしょ。

でも、最初からこの研究を一貫して進めてきた訳じゃないでしょ。それで、この論文は最初の三人の名前を挙げて、この三人が同じ程度に貢献したと書いたのですよ。つまり名前はトップに載っているけれど、あなたの貢献は3分の1。

この大学の規定で、論文一つ出して学位取れるというならそれでも良いけれど(うちの研究の内規は二つ、あるいはそれに準じる)、実際は、よく見ると3分の1です。これじゃ詐欺でしょ。

それよりも、あなたはちゃんとした研究をして、もう一つの論文を良いジャーナルに投稿しているじゃないですか、これが通れば、何の文句もなく学位請求が出来るじゃない。うちの研究室の内規だって、正規のSCIクラスの論文が一つと3分の一あることになって、しかも次の研究も進んでいるし、二報という内規を(ちょっと甘く見れば)クリアしているでしょ。

あと返事の来るのをちょっと待てばいいじゃない。

でも、彼女はとうとう泣き出してしまいました。もう今にも学位請求が出せると思っていたのに、って。。。

HGFの論文は、それを学位請求に使うと思いもしなかったので彼女のもう一人の指導教官の名前を載せることが必要なんて思いませんでしたし、張嵐だって、論文を最後まで見ているのですから、何か言っても良いのに言わなかったのです。

るまり、呉老師の名前が載っていないのは二人の責任ですね。二人が悪い。。。

この大学では論文一つがSCIレベルの雑誌に載れば、受理された段階で学位請求が出来ます。もう一つ追い論文を投稿しているのですから、いま彼女のすることは、学位論文を書き始めることです。これに結構時間が掛かります。これを始めていて、時間はちょうどよいくらいに進むでしょう。

でも、二つ目が受理されなかったら?

そうかも知れないけれど、ここで最高という研究をして論文に書いて投稿したのだから、自信を持って待ちましょうよ。それ以外にないでしょ。

人生塞翁が馬なのだから、良いこともあれば、悪いこともある。上海でポスドクに採用された、はい、プラス1点。上海で研究所でも採用された、これで2点。HGFの論文が通った。はい、これで3点。

博士論文も書けそうだ。これはまだ実現していないから、点にならないかも。

もうひとつ論文を良いジャーナルに投稿している、これもまだ返事がないからプラスではない?

そう。少しは不確定だけれど、彼女の人生、良い方向に進んでいるじゃないですか。論文が通ると思って(このジャーナルでもし駄目でも、必ず何処かに通りますよ)自信を持って学位論文を書き始めたらいいじゃないですか。





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最終更新日  2011.04.24 09:46:05
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