カテゴリ:生命科学
さえ:
Real Time PCRを使うと、横軸をサイクル数として縦軸にDNAの増幅していく(原理的には二倍ずつ増える)のが綺麗に観察できますね。この増加はあるところで飽和になります。 素材のヌクレオチドがなくなったか、Primerを使い切ったか、酵素がへこたれたか、さまざまな理由が考えられます。つまり、この最終蛍光強度は、いつも同じではありません。 PCRでは何時も目的の遺伝子と、対照になるハウスキーピング遺伝子の増幅を比べるわけですが、この増幅曲線の何処で比べるかが問題です。 あるメーカーの機器ですとソフトウエアが付いていて、計測結果から、この遺伝子のCTはこれ、こっちの遺伝子はこれ、という具合に数値を出してくれるそうです。 ところが、ここで使っている機器にはそのようなソフトがありません。 それで、数学に強い学生の劉丹がいろいろと考えて、この増加曲線の勾配を微分して取り、さらにその微分をすることで変曲点をみつけ、そこのCT値を使うことにしようと言うことになって、計算式を導入してくれました。但し手動の計算なので、結果を出すのに時間が掛かります。 瀋陽の他の研究室で、Real Time PCRを使っているところに質問してみました。同じように計算ソフトウエアのない機器を使っているところでは、任意に線を引いて、そのCT値を読んでいると言うことでした。つまり、場合によっては自分たちに都合の良いCT値を得ていることになりますね。 人によっては最高到達蛍光強度の2分の1のところで線を引いていると言うことです。でも元のcDNAの数が少ないときは、サイクル40になっても飽和しませんから、このやり方では答えが出せないわけですね。 この機器のメーカーに暁艶が電話をして、計算ソフトが必要なこと、それを開発して配布するように要請しました。すると、今まで機器は市場に沢山出ているけれど、こんな要求は初めてだというのですよ。 他の研究室では、CT値の求め方について、どうして悩まないのでしょうね。不思議です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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